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『ITmedia ニュース』編集長 小林伸也
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――アイティメディアに入社した経緯を教えてください。

1995年に地方の新聞社に新卒で入社して、支局に配属されて街ネタや警察回り、地元行政の取材などを行っていました。3年後、テレビ局に転職してまた記者をしていたんですけど、そこは半年で辞めてしまって、やっぱり記事を書く仕事を続けたいと探したのがWeb専門のニュースサイトだったんです。1年後、ソフトバンク・ジーディーネット株式会社(アイティメディアの前身)に転職しました。2000年の8月でしたね。

紙のメディアをやっていたときには、自分の書いた記事って読まれているのかな? という手応えの無さがありまして。専門誌だと関連する業界の人には情報源として読んでもらえて、情報に対する欲求度は高いじゃないですか。そこに魅力を感じました。

インターネットメディアの記者というと今では珍しくないかもしれないけれど、当時は結構珍しい存在だったので、新しさに惹かれたところもありました。記者という仕事は新しいもの、世の中の新しい動きというものが好きじゃないと面白くない仕事。そう考えると、インターネット専業メディアに目がいったのもある意味当然の流れかもしれません。

――ご自身が書いた記事の中で印象に残っているものは何ですか?

笑える方から言うと、2001年に書いた「『ザク売ります(傷あり)』──Yahoo!オークションに出品されていた」という記事ですね。

昔はインターネット上で起こっている話を面白おかしく記事にする人っていなかったんですよ。ただ私は新聞社に入ったときに、当時の上司に「お前の心の赴くままに、すべて記事にしろ」「森羅万象がお前の記事の対象だ」と言われていた。インターネットメディアの記者になって、今自分の取材対象はインターネット全域に広がっていると考えたんです。

当時、ITニュースといえば企業の動向や製品情報など硬い話がほとんどでした。ただ、これからインターネットがどんどん普及していくと考えたときに、インターネット上で起きていることは、我々が生きている社会の一部分として、自分たちにとってニュースとなるに違いないという自信がありました。

この記事には賛否両論あって、面白いという意見もあった反面、「こんなものがニュースであるわけないだろう」と読者の方から怒られることもありましたね。でも私はインターネットで誰かが面白いことをやって、それをネットユーザーみんなで見るというのは時代の転換点じゃないか! と思いながら書いたんです。こんな意識が、ネットの旬なトピックを扱う「ねとらぼ」(※編注 「ねとらぼ」は当初ITmedia ニュース内の1コーナーとして生まれた)の出発点にもなりましたし、そういう意味でもポイントになる記事だったと思っています。

真面目な方で言うと、東日本大震災の際に掲載した一連の記事が印象に残っています。地震が起きて最初に書いたのが、ドコモやKDDIなど通信各社の災害用伝言板をまとめた「通信各社の災害用伝言板」という記事で、これはYahoo!JAPANのトップページからも長らくリンクが貼られていました。災害時にどのような情報が求められるかということは記者としてもよく考えていたのですが、このときはわれわれがメディアとして緊急時に役立った一瞬でもあったのかなと、本当によく覚えています。

――編集長のお仕事について教えてください。編集長ならではのやりがいとはどんなものですか?

編集長としての仕事は、編集部員が書いた記事原稿をチェックしたり、取り上げるネタの取捨選択をしたり、「ITmedia ニュース」のトップページを編集したりすることです。自分でも記事を書いています。

私が編集長を務めるITmedia ニュースには若い人が配属されることが多いのですが、彼らを叱咤激励しながら原稿を書けるように育てていくのも大切な仕事です。若者が良い原稿を書ける記者に育ち、「○○さんという記者はすごい」という声が色々なところから聞こえてきたりすると嬉しいです。

インターネットでは、ベンチャー企業やサービスなど新しいものがどんどん現れて育っていきます。ITmedia ニュースがその初めのころに取材し、その後大きくなった会社もあります。若い会社が若い記者と出会って、会社も記者も一緒に育っていく、有名になっていく過程を見るのは、育てている側としては非常に楽しい。メディアとしても非常に誇らしいことですね。

われわれのメディアはIT業界を扱っているので、業界が景気よく拡大していくのは自分たちのビジネスにとっても大事ではあるんですが、賛成一辺倒ではなく正すべきところは批判的に指摘していくことも大切です。適度な距離を保ちつつ、最終的には業界の健全な発展のためを考えるというのは押さえておくべきところです。根本には、IT業界が良くなれば世の中もよくなるはず──という、アイティメディアの信念があります。

だからこそ、業界の発展というものに、ITmedia ニュースというメディアが貢献できているという感覚が持てるのは責任者としては喜ばしいことですし、うまくいったときはすごく気分がいいですね。

――仕事をしていく上で、心がけていることは何ですか?

人間としても社会人としても記者としても、1年に最低1つでもいいから“できることを増やそう”と思っています。

我々くらいの年になって、ある程度実績も重ねると、「俺はできるんだ、今までやってきたとおりでいいんだ」と思ってしまう。確かに経験と実績は強みになるし、それは自分の武器でもありますが、それに加えて「俺にはまだできないことや知らないことがたくさんあるんじゃないか」と常に考えて、少しずつでも、ちょっとした1つのことでもいいから、できることを増やしていこうと思っています。

なんでもいいと思うんですよ。もう一度微分・積分をやり直すとかでも(笑)。新しいことをやって、自分の引き出しを増やしていく。それが最終的にはメディア運営や、記事を書くことにすごく役に立っています。最近は、科学の論文やレポートをよく読むようになりました。英語の。面白いものは記事にすると読者からの反応もいいですね。

「自分の知らないことがある」ことを気づいておかないと、「おじさんの傲慢さ」みたいなものを身につけてしまう気がして……。それって、インターネット的な考え方と相反すると思うんですよね。常に自分の知らない世界があり、知らない知識がある。それを常に念頭に置き、「自分とって未知のものがまだまだある」と思えば好奇心も保てるし、インターネットの中の新しい動きに対してもいつまでもフレッシュな気持ちで相対していける。これはインターネットメディアの記者にとっては、本当に大切なことだと個人的には思っています。自分の持っている専門性は深めつつも、他のジャンルにも広く目配りする柔軟さは、他のメディアの記者より求められている気がします。

できることを増やそう。新しいことにチャレンジしよう。最近だと、生まれたばかりの子どものお世話をしていても、おむつを替えたりするたびにまた経験値が上がるなと思ってグッときてますね(笑)。

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――最後に、今後アイティメディアでどんな情報発信をしていきたいですか。

今、オンラインメディアって本当に驚くくらいたくさんあるんですよ。様々な企業が様々なジャンルでインターネットメディアを立ち上げて、それが読まれている。

そんな時代で、変化も必要とされる中で、われわれの基本は「IT業界の健全な発展を通じて、世の中全体を良くすることに貢献していく」ことにあると思います。インターネットを通じた幸福の総量をちょっとでも増やしていける方向に行きたい。

だからこそ、取材や事実確認をちゃんと行った上で情報発信をする、人を傷つけるようなネタではなく社会の改善や業界の発展に少しでもつながるようなものを掲載していく、といったことが大切だと思っています。それは基本的なことなんですが、本当に必要なことだからこそ、基本になるんですよね。

基本のスタンスは守りながら新しい時代に柔軟に対応していき、IT業界や日本の社会、またビジネスパーソンにとって必要なインターネットメディアとして地位を占めることができるニュースサイトでありたいです。

世の中からアイティメディアを引き算して「無くてもいいね」となるのは悲しいので(笑)、「あってよかったね」と思ってもらえるように。テクノロジーが世の中を良くしていくといいなという気持ちが根っこにあるので、それをメディアとして実現していけるといいなと思います。


interview_skobayashi_icon小林 伸也(こばやし しんや)
ITインダストリー事業本部 ビジネス&テクノロジー事業部 ビジネスIT統括部 ITmediaニュース編集部
2000年8月、ソフトバンク・ジーディーネット(アイティメディアの前身)に中途入社

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