アイティメディアでは、社員の価値発揮の向上のために、一定のルールのもとで働く場所をオフィスや自宅などから自由に選択できる「スマートワーク制度」を実施しています。そのため、中途入社者や迎え入れる側の社員が、リモートワークをしていることがあります。ここで、アイティメディアへの転職を考えてくださっている方は、もし入社したら、オフィスで一緒に働かなくても、サポートは受けられるのか……という疑問を持つかもしれません。
この記事では、アイティメディアで働くことに興味を持っている皆さんの疑問を解決するため、中途入社者を対象にしたアンケート(※)も取り入れて、入社後のサポート体制をお伝えします。
※アンケート概要
アンケート名:オンボーディングに関するアンケート
目的:新規入社者への教育・指導の現状把握と改善
回答時期:2025年7月~8月
対象者:2023/1/1~2025/3/31の期間にアイティメディアに中途入社した社員
回答者数:36名
回答方法:インターネット上に設けた回答フォームでの選択式・自由記述式
設問数:36問
チューター制度――伴走者を作る
サポートのひとつが、「チューター制度」です。一般的に「チューター」というと、業務を指導する役割をイメージすることが多いかもしれません。しかし、アイティメディアのチューター制度は、業務指導だけではなく、中途入社者が不安をその都度解消して、組織になじめるようにサポートする役割に重点が置かれています。
チューターを担うのは配属先部門のメンバーです。期間は1~3か月で、部門や入社者の状況に応じて変わります。業務指導の他に、入社後1か月間は週に複数回、最低15分のミーティングを行い、日々の疑問の解消と、職場への適応をサポートします。いろいろ面倒を見てくれる先輩といえるポジションです。なお、部門にもよりますが、中途入社者の受け入れから数か月間は、受け入れ部門の出社頻度をなるべく高くするようにもしています。
チューター制度がどのように実施されているか、アンケートを見てみましょう。
チューターとのオンラインコミュニケーション頻度について、チューターがいた回答者の8割以上が「週4回以上」「週2~3回」と回答しています。週の半分以上は、チューターと会話する機会が設けられていました。なお、オンラインコミュニケーションが全くなかったという回答者は、出社・オフラインで週4回以上コミュニケーションを取っていました。
また、チューターとのコミュニケーションの内容は、以下に示したグラフの通り、多岐にわたっています。業務の進め方や雑談だけではなく、キャリア、目標、人間関係といった、職場になじんで定着する上で重要な情報についても相談できているようです。これらの話題は、中途入社者にとって気になる一方で、入社間もない時期だと話しづらいかもしれません。そうした話ができているのも、チューターとの信頼関係を構築できていることの表れではないでしょうか。
オンラインコミュニケーションの工夫――部門として全力でサポートする
受け入れにあたっては、制度の導入だけではなく、中途入社者がなじみやすい組織になるよう、マナーを共有して配慮をお願いしています。その中でも重要なのが、オンラインコミュニケーションの工夫です。部門の全員にノウハウを共有し、実践してもらっています。
ノウハウのひとつめは、まず既存のルールがある場合、中途入社者にもしっかり共有することです。具体的なルールとしては、部門の中で連絡しない時間帯を決めている、時短勤務などで終業時間が異なる社員がいるなどです。既存のメンバーにとっては当たり前でも、中途入社者ははっきり伝えられなければ分からず、ルールに従った配慮もできません。知っていれば防げたすれ違いをなくすよう、呼びかけています。
ふたつめは、オンラインコミュニケーションの方法を、中途入社者がやりやすいものに合わせることです。たとえば、質問のしかたについて、不明点ができたときに適宜チャットで問い合わせるか、チューターや上長との1on1の際にまとめて行うか、といったことです。中途入社者が新しい環境になじむことは、その後の活躍の最大の基礎となります。受け入れ側は、中途入社者に合わせて全力でサポートし、環境への適応を支援するようにお願いしています。
中途入社者のキャッチアップ――アンケートから
次に、中途入社者を対象に行ったアンケートから、実際のキャッチアップの状況をお伝えします。
まず、キャッチアップができた時期として、8割近くが、6か月程度で「ある程度ひとりで業務ができるようになった」と回答しています。
アイティメディアでは、入社後約6か月間はキャッチアップ期間としてとらえていますが、回答からは、実態もおおむね一致していることが分かります。ちなみに、評価制度にも、キャッチアップ期間の認識が反映されています。入社後初めての評価は、スキル習得などの目標に対する定量評価のみ行い、課題解決のための行動の定性評価は行いません。入社してすぐの時期は、業務や環境に慣れることに加え、定性評価の対象となる課題解決のために自主的に行動するマインドを身に付ける期間だと考えているからです。
次に、キャッチアップの方法を見てみましょう。積極的な質問や、自主的な振り返りなど、主体性のある行動がキャッチアップのポイントのようです。リモート下であっても、チューターや上司とのコミュニケーションの機会を活用して、情報や仕事の進め方を学んでいる回答者が多数でした。なお、「部署や先輩社員が受け入れ時に行ったことで、特に効果的だったと感じるもの」への回答として、チューター以外の同僚と交流や相談する機会の設定が複数あげられていました。決まった相手とのコミュニケーションの機会を設けるだけでなく、複数の相談相手とゆるやかにつながれるような風通しのよさも求められています。
最後に、キャッチアップにあたって感じた難しさの理由を見ていきます。回答者の5割超が、業務内容、ルールや仕組み、システムといった、受け入れ側の情報提供に関連する難しさを感じていました。また、中途入社者向けに追加してほしいものとして、6割超がマニュアルや研修などインプットのツールや機会と回答しています。現状でも、全社のポータルサイトを通じたシステムや制度の説明など、情報提供を行っています。提供する情報をさらに整備するとともに、情報源そのものの浸透にも取り組んでいきます。
働く場所の自由の中で、新しい仲間が活躍できる仕組みづくりを継続
この記事では、中途入社者のサポートについて、現在の施策と、サポートを受けた社員のアンケートから説明しました。総合的に見ると、現在の状況でも、問題なくキャッチアップできている中途入社者の割合は高そうです。一方、さらなる情報提供や、複数の相談先の創出など、追加で対応すべきこともあります。
アイティメディアは、今後もオフィス出社やリモートワークなど、一定のルールの下での働く場所の自由な選択を維持する方針です。そのため、必ずしも顔を合わせなくても、中途入社者が業務にキャッチアップし周囲に適応できる対策は、重要だと考えています。今後も、人事と受け入れ部門が連携して、入社者をフォローし、価値発揮の最大化をサポートしていきます。