回り道をしてたどりついた仕事、編集記者の厳しさとは

 アイティメディアには営業、企画、編集など、さまざまなポジションがあります。しかし、職種としては知られていても、実際にどんな仕事をしているかは外からはあまり分からないものです。

 そこで今回は、当社に興味を持ってくださった学生さんに「アイティメディアの仕事」についてより詳しく知ってもらうため、「就職活動とアイティメディアの仕事」について若手社員にインタビューを行いました。

 先輩たちはどんな就職活動をしていたのか、どうしてアイティメディアに入社したのか、今どんな風に働いているのか……。今回は編集記者職として働く青柳美帆子のお話をお届けします。

【編集記者/青柳 美帆子】

2016年新卒入社。入社前からフリーライターとして「ねとらぼ」へ記事を寄稿。入社後は「ITmedia ビジネスオンライン」の編集記者を務める。
※所属部署や業務内容はインタビュー当時(2016年10月時点)のものです

教員、大学院と回り道を経て編集記者へ

――就職活動について教えてください。

青柳: 私の場合、一般的な就活ではなく、回り道をしてアイティメディアにたどりつきました。大学卒業後に1年間、高校で古典を教える教員を経験した後、大学院に進学しました。

 文章を書くことが好きで、大学3年時にライターを目指す人向けの養成講座に通い、ブログやWebメディアなどで書いていたんです。卒業後は教員や大学院生をやりつつ、フリーライターとしてさまざまな媒体に記事を寄稿しました。当社の「ねとらぼ」でも記事を書いていました。

 大学院卒業後も編集記者として仕事をしていきたいと思っていたところに、アイティメディアの採用担当から「一度お話しませんか?」と声を掛けてもらって、定期採用の選考に参加することになりました。編集記者職として採用を行っている数少ない企業であることと、「正しく、詳しく、スピーディな情報発信」というポリシーに共感して、アイティメディアに入社を決めました。

――いまどんなお仕事をしていますか?

青柳: ITmedia ビジネスオンライン編集部で、ニュース記事を書いています。「ITmedia ビジネスオンライン」は、企業ビジネスの最新動向を伝えるメディアなので、ビジネス寄りの記事を書くことが多いです。

 注目すべきトピックを決めて、自分なりに記事の方向性を考え、取材と執筆をします。1日あたり平均1~2本書いています。新しい知識を得られる機会があるのは楽しいですね。

 フリーライター時代と比べると、スケジュール管理、時間調整が難しいと感じています。編集部としてのチーム目標がもちろん設定されるので、好きな時間に好きな記事を書くという仕事の進め方はできないですよね。

――入社前後でギャップはありましたか?

青柳: もっとオタクが多いと思っていました(笑)。私はオタクマジョリティーの人生を送ってきたのですが、アイティメディアは意外と(?)ニュートラルな方が多いですね。

 あとは、もともとサブカル系の記事を中心に書いていたので、エンタープライズ系のネタを扱うようになったのは、ギャップというか自分の中での変化です。

記事は「タイミング」が命

――編集記者の大変なところは何ですか?

青柳: 全く知らない分野のメディアに配属される可能性もあるので、自分の得意領域で書けるとは限りません。ですが、やはり興味のあるネタでないと面白い記事を書くことはできないので、任された領域の中で興味のあることや好きなものどんどん作っていかなければならないと思います。

 また、個人のブログやTwitterでは自由にアウトプットができますが、仕事となるとそうはいきませんよね。たくさんの読者に読んでもらうことを目指しながら、メディアとして大切にしているものを意識しなければならない。

 Webメディアの場合、その記事のフィードバックがダイレクトにあるのがさらに大変なところです。自分でブログを書いている方は意識するかもしれませんが、PVやシェア数で明確な数字として出てきます。それが負担になることもあるかもしれません。PVが伸びないと結構落ち込んじゃいます……。

――思い入れのある記事を教えてください。

青柳: 「ITmedia ビジネスオンライン」で、「新人記者が行く」という連載を担当しているのですが、その中で書いた「
大ヒット『シン・ゴジラ』 ゴジラ襲来による日本の被害額はどれくらい? 試算してみた」という記事ですね。外資系戦略コンサルティングファームの方にお話をお聞きして、ゴジラの襲来によって甚大なダメージを受けた日本の被害額を試算してみようという内容なのですが、PVもよくて、SNSでの反応も上々でした。何より書いていて楽しかったですね。

 それから、「業界関係者が『ポケモンGO』の世界的大ヒットを“予測できなかった”ワケ」という記事も思い入れがあります。当時「ポケモンGO」は世界各国で爆発的にヒットしていて、日本でも配信への期待が過熱しているという絶好のタイミングで書けた記事です。

 どの記事もバズってほしいと思って書いているので全てに思い入れがあるのですが、うまくタイミングがはまると「よかったな」と安心します。

 紙メディアの仕事と大きく違うのは、コンテンツがどんどん流れていくということですね。先ほどお話した記事も3カ月後に書いていたら恐らくそこまで読まれなかったと思います。その瞬間に書けていないと意味がない。

 私は、この仕事はたまに出る満塁ホームランだけではダメだと思っているんです。100万PVの記事を出すことも重要ですが、コンスタントに1万PVを獲得できる記事を書き続けてヒットを打ち続けることも大切。そのためにも、計算してタイミングを見誤らないようにするのは重要ですね。

――今後の目標を教えてください。

青柳: こんなことを言うと編集部の大先輩に笑われそうですが(笑)、いつかは編集部で一番PVを稼ぐ人間になりたいですね!

 今は編集部内で「こういう役割を担ってほしい」という方針があるので、その領域で専門性の高い記者になりたいと思っています。その結果がPVという数字に表れていればいいなと。

編集記者を目指すならセンサーを高く

――就活生へのメッセージをお願いします!

青柳: 自分の経験からは「回り道をしても何とかなりますよ!」ということですかね(笑)。

 大学をストレートで卒業して、新卒で就職しないといけないという風潮がありますが、私のように紆余(うよ)曲折あってもいいご縁に出会えることもあります。変に自分で可能性を狭めずに、就職先を決められるといいのではないでしょうか。

 また、できるだけ多くの社会人と話をして判断したほうがいいと思います。私の場合は、大学の先輩ももちろんですが、7~8年社会人を経験している人に意見を聞いてみると、より幅広い視点からアドバイスを得られました。

――編集記者を志す方へアドバイスはありますか?

青柳: 編集記者を目指すのであれば、ブログ等でもいいので自分で文章を書く経験は必要かと思います。また、日頃からメディアに接して、他の人が書いた記事にも関心を高く持っていてもらいたいです。たくさん読んでいる人と全く読んでいない人とでは、培われるセンサーの高さが違ってくると思っています。