キャリアは「求められること」に答え続けた結果

 当社では年に1度、各年代に求められる期待役割を理解し、自身のキャリアを描くために、「キャリア研修」を開催しています。その中で、社内のロールモデルを知ることを目的として、当社の「管理職」と「スペシャリスト」(※)がそれぞれ1名ずつ登壇し、これまでのキャリアや、その中で培われてきた価値観を語ってもらいました。
(※アイティメディアの人事の仕組み-第1回:人事ポリシーと人事制度-参照)

 今回は「管理職」の代表として、執行役員 アドバンスト・メディア事業本部長である、石森 将文の講話をお届けしたいと思います!

【執行役員 アドバンスト・メディア事業本部長 石森 将文】

1976年生まれ、宮城県出身。学習院大学卒。芸能誌のライターや写真誌の創刊、IT関連誌の編集長を経たのち、2007年にアイティメディア入社。その後、「ITmedia エンタープライズ」/「ITmedia エグゼクティブ」の編集長に就任し、2015年には「ITmedia ビジネスオンライン」を開設。「ITmedia NEWS」をはじめとするメディアユニットの責任者を務めたのち、現職に就任
※所属部署や業務内容は講話当時(2019年10月時点)のものです

アイティメディアに入社するまでの軌跡

編集者としてキャリアをスタートしたきっかけ

 大学では哲学を専攻していたのですが、師事していた教授から「あなたの卒論は、内容は陳腐だが日本語としては優れている。作家や学者は無理だろうけど、編集者ならできるのでは」と言われ、編集者のキャリアを選択することになりました。

 新卒で入社した会社では、芸能雑誌の編集者をしていました。アイドルを取り扱う雑誌だったので、現在の領域とは全く関係なかったのですが、ある日、上司から「石森くん若いからさぁ、ITのこと分かるでしょ? コンピュータカタログのコピーライターをやってよ」という仕事を振られ、これがIT領域に携わるきっかけになりました。

 

27歳で転職、ミッションの変化を経験

 コンピュータカタログ制作の仕事をきっかけに、IT分野でより専門的に仕事をしていきたいという思いが強くなり、27歳のときにBtoBのIT領域に専門特化した出版社に転職しました。ここでは、いくつか雑誌の立ち上げが予定されていたため、いち編集者としてだけではなく、メディアをゼロから作っていく経験をさせてもらいました。これは現在の仕事の礎にもなっていると思います。

 

M&Aによりアイティメディアへ

 31歳のときに、在籍していた出版社がアイティメディアに事業買収されることになり、当社に転籍しました。

 アイティメディアに入社してからは本当にたくさんの変化を経験してきましたね!

 「ITmedia エンタープライズ」や「ITmedia エグゼクティブ」の編集長を経験した後、打診されたのが「統括部長」というポストでした。いよいよ編集者から管理職になる日がきたわけです。これは私自身にとって大きなミッション変化でした。

 統括部長就任後は「メディア企画」という新組織を立ち上げたり、新しい広告商品や仕組みを作ったりと、とにかく自身で変化を作ることが多くなりました。大事にしていたのは、“変わらないために、変わり続ける”というスタンスです。

 そして40代に入り執行役員に就任、現在に至ります。

 

わたしの価値観

課題があれば「変える」 「文句を言う」という選択肢はない

 私は、環境や領域、ミッションといったさまざまな変化を体験してきましたが、仕事が変わっても、共通する価値観があると思っています。

 これは昔から変わらず周囲にも話していた私の価値観ですが、会社や環境に何か課題があったときの選択肢は、3つだけだと考えています。①受け入れる、②辞める、③変えるの3つです。「文句を言う」はありません。

 変える意思がないのであれば、心の中で不満を抱えたまま我慢して受け入れたり、その環境から逃れたりするしかありません。文句を言って何もしないのは、仲間にも悪影響ですし、自身にとっても良いことがありません。課題に向き合って変えることこそが、キャリアを作っていくものだと思います。
 

キャリアアップ=投資に対して利子を付けて返すこと

 私は“お給料は、完了した労働の対価ではなく、事前期待に対する投資だ”と考えているんです。その投資に対して利子を付けて返す、つまり期待以上の結果を出すことを意識して繰り返していけば、それがキャリアアップにつながると思っています。

 

「求められること」に答えた先に見えるキャリア

 「やりたいこと」と、「やっていること」「評価されていること」を混同しないのは重要だと思います。「やりたいこと」と「評価されること」が一致していれば幸せですが、必ずしも一致しないのが現実です。

 私は、希望して管理職になったわけではありませんでした。管理職の話がきたときには、「自分はもう編集者ではなくなるんだな……」と、少々寂しさを感じたのも事実です。

 ですが、この立場になったからこそ影響範囲が拡大し、ある意味自由にできることが増えました。「管理職は大変なことしかない」とよく言われますが、私はそんなことはないと思います。やるべき大事な仕事は何かを自分で判断し、無駄な仕事についてメンバーにも「それ、やらなくていいよ」といえるのは、管理職になったからこそです。成果につながらない仕事をさせているよりも、その仕事をやらないと決めてメンバーが有給休暇を取得できた方が、会社も社員も幸せですからね。

 結果的に「仲間や上司、組織に求められること」をやることで、私は自身のキャリアにつながったと思っているんです。

 「やりたいこと」と任される仕事が合わない、そもそも「やりたいこと」が見つからないという人は、「評価されていること」に目を向けてキャリアを考えてみるのも、1つの方法だと思いますよ。