スキルの組み合わせが自分だけの価値を生む

 当社では年に1度、各年代に求められる期待役割を理解し、自身のキャリアを描くために、「キャリア研修」を開催しています。その中で、社内のロールモデルを知ることを目的として、当社の「管理職」と「スペシャリスト」(※)がそれぞれ1名ずつ登壇し、これまでのキャリアや、その中で培われてきた価値観を語ってもらいました。
(※アイティメディアの人事の仕組み-第1回:人事ポリシーと人事制度-参照)

 今回は「スペシャリスト」の代表として、プロフェッショナル・メディア事業本部 リードジェン事業局 サービス企画部 シニアスペシャリスト、小柴 豊の講話をお届けしたいと思います!

【プロフェッショナル・メディア事業本部 リードジェン事業局 サービス企画部 シニアスペシャリスト 小柴 豊】
1965年生まれ、東京都出身。早稲田大学卒。リサーチ会社の調査員、IT系出版社や外資ITメーカーのリサーチャーを経たのち、2005年にアイティメディアへ入社。リサーチ・企画部門のマネジャーを務め、リードジェン事業部門のシニアスペシャリストに就任。2010年4月に設置された、B2Bマーケティングの最新動向を伝える「リード研究所」の所長も兼任
※所属部署や業務内容は講話当時(2019年10月時点)のものです

アイティメディアに入社するまでの軌跡

リサーチ会社の調査員としてキャリアをスタート、自分だけの価値を模索する日々

 新卒の就職活動では、間違って中途採用枠に応募してしまったリサーチ会社からなぜか内定が出まして(笑)、そこに入社をしました。そして、調査員としてキャリアをスタートすることになります。

 入社当時のリサーチ会社は、足を動かしてデータを集め、それを紙で管理していたので、インターネットの登場は自分にとってかなり衝撃的でしたね。時間と労力をかけて調査していたものが、インターネットを介すことで一斉に数千件の回答が集められるんですから。インターネットビジネスへの強い関心は、この頃からずっと持ち続けています。

 この会社では10年近く、それなりに楽しく働いてはいたのですが、顧客企業の担当者から言われたある一言が、私のキャリア観を変え、転職という決断をさせることになります。それは、「あなたは代理店なの?」という一言でした。つまり、“代理業をしているだけで、あなたがその仕事をしている価値って何なの?”という問いを突きつけられたわけです。

 それからというもの、自分にしか出せない価値って何なんだろう……と、もんもんと考え続ける日々が続きました。

 ちょうどその頃、IT関連の出版社から、リサーチャーとしての誘いを受けまして、初めての転職を経験することになります。「自分にしかない価値」を模索していた当時の私は、「IT専門のリサーチャーって、なんか価値がありそう!」と思ったんですよね。

出版社、外資系ITメーカー、そしてインターネットメディア企業へ

 晴れてIT系出版社に転職をしましたが、そこは動物園みたいなところでした……! 何より社員のあくが強かった! 上司から「このグラフには魂がこもっていない!」なんて叱責を受けまして、「魂がこもったグラフってどういうこと……?」と思い悩んだこともありましたね(笑)。今振り返ると、あの時代が私のキャリアの中で最も辛かったかもしれません。

 そんなときに、またタイミングよくお声を掛けていただき、外資系ITメーカーのリサーチャーへ、二度目の転職をします。個人ごとにブースがあるような“The外資系企業”に大きな期待を抱いて入社をしました。

 メディアから見た顧客企業のマーケターは会社の花形とイメージされることもありますが、よいことばかりではありません。この会社では、営業社員から詰められるマーケターの姿をよく見ていました。私も入社初日に、トップセールスだった方から、「小柴くん? あなたは僕のために何してくれるの?」と聞かれたものです……。

 私の現職のサービス提供先は、IT企業のマーケターが中心ですので、自身もマーケターや営業社員に提供すべき価値に頭を悩ませ試行錯誤した経験は、非常に生きていますね。もちろん、当時から今の仕事が想像できていたわけではありませんが、キャリアってつながっていくものだなと感じます。

 外資系企業のリサーチャーとして、大変ながらも充実した日々を送っていましたが、上司や同僚の転職が立て続き、自分もそろそろ次のステップに進むべきなのかなと考え始めました。

 そしてまたありがたいことにお誘いを受け、ITエキスパート向けのインターネットメディア「@IT」を運営する株式会社アットマーク・アイティへ転職。この頃には、【リサーチ】×【IT】で、自分なりの価値が提供できるのではないかという自信も持てるようになっていました。

合併によりアイティメディアへ転籍

 2005年に、株式会社アットマーク・アイティとソフトバンク・アイティメディア株式会社(現アイティメディア株式会社)が合併することになりました。

 転籍してきた頃のアイティメディア社員の印象は、「若くて優秀」でした。当時は管理職に就いていたのですが、自分の部下たちももちろん優秀で、感心したことを覚えています。それ故に部下全員の評価を高く付け過ぎてしまうこともありましたね(笑)

 そんな時に、当時の会長から「明日からリード研究所を立ち上げて」という指令を受けます。管理職の任を解かれ、個人の専門性を生かしたスペシャリストとしてミッションを遂行するということでした。

 それ以後、自分の部下だった人が上司になるような立場の転換に戸惑うこともありました。ですが、家族の介護などの事情もあったので、管理職としてメンバーや組織成果を考えるより、個人として会社に貢献する方がより大きな成果を提供できるのではと思い、今自分にできることを頑張ろうと活動を進めました。

 その結果、社外のコミュニティーも増え、仕事の楽しさをよりいっそう感じられるようにもなりました。今思えば、自分個人としての価値をずっと探し続けていた私にとって、このスペシャリストというキャリアはマッチしていたのだと思います。

わたしの価値観

「自分だけの価値」はスキルの組み合わせで生まれる

 キャリアを構築する上で、「スキルの組み合わせ」という考え方を持っておくといいかもしれませんね。例えば、私であればリサーチャーとしては二流だったと思いますが、ITやメディアという軸を掛け合わせることで、「自分にしかない価値」ができました。そしてこの価値によって、顧客から対価をいただけるほどのサービスとして提供ができるようになりました。

 私の「スキルの組み合わせ」は、求められた役割を遂行していくことで得られたものが多かったと感じています。目の前の課題に一生懸命取り組むことで、スキルのタグがひ1つずつ増えていきます。その組み合わせがあなただけのオリジナリティーになると信じて、目の前の仕事を頑張ってみてはいかがでしょうか。