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知識と経験を分かち合う 2022年度セールスMVPインタビュー

 アイティメディアでは、四半期の初めに行われる全社会議で、前四半期に優秀な業績を上げた社員を表彰しています。優れたコンテンツを執筆・編集した編集記者に贈られる「優秀コンテンツ表彰」、高い売上実績を残した営業社員に贈られる「優秀セールス賞」、全社員を対象に革新的な取り組みを表彰する「Innovation社長賞・本部長賞」があります。また、年間を通して全営業社員の中で最も優れた売上実績を達成した社員は、「年間セールスMVP」として翌年度初めの全社会議で表彰されます。
 今回は、2022年度の年間セールスMVPを受賞した、営業本部 第三営業統括部 第七営業部 見上チーム長の見上顕に、人事の橋口がインタビューしました。長年メディアの広告営業に携わってきた見上ならではの目線で、アイティメディアでの現在地を語ってもらいました。

アイティメディアでデジタルマーケティングに初挑戦

――まずは、2022年度のセールスMVP受賞、おめでとうございます!

見上: ありがとうございます。

――本日は、見上さんの日々の業務への取り組みや、ご自身の仕事への思いなどをうかがえればと思います。まずは、見上さんのキャリアについて教えてください。

見上: 私は、ほぼ一貫して、メディア企業の営業職としてキャリアを積み上げてきました。半導体製造装置業界に特化した老舗メディアや、大学や研究機関で読まれる科学誌の出版社などに勤めていたことがあります。しかし、ずっと紙媒体のメディアばかりで、オンラインメディア専業の企業はアイティメディアが初めてでした。

 だから、アイティメディアへの転職は、新しい挑戦という気持ちも強かったです。転職してきたときは47歳で、メディアの広告営業のノウハウはあっても、ITリテラシーは低く、デジタルマーケティングの知識もありませんでしたから。

 そんな私にとっても、アイティメディアは、とても居心地がよい会社でした。皆さん親切で、敬意を払って接してくれました。扱うメディアやデジタルマーケティングの知識は、営業本部で行っている勉強会で学んでいきました。他の社員の知見を、「見て盗む」方式で自分の知識にしています。

 私が入社した2018年ごろは、クライアントである製造業界も、デジタルマーケティング導入の黎明期だったんです。クライアント企業へのデジタルマーケティング浸透と一緒に、私自身も成長していきました。

コロナ禍でデジタルマーケティング導入に取り組む製造業界に伴走

――見上さんが入社してから5年が経ちましたね。入社時に黎明期だった、製造業界へのデジタルマーケティングの導入は、現在さらに進んでいるのでしょうか?

見上: はい、導入は進んでいます。製造業界の商談の場は、実際の製品を手に取れるフィジカルな展示会が、現在でも非常に強いです。一方、オンラインで見込み客を集める施策も、費用対効果が可視化できるといったメリットが評価されています。

 ただ、製造業界がデジタルマーケティングを導入した最大のきっかけは、コロナ禍でした。フィジカルな展示会は、感染拡大防止のため、全て中止せざるを得なくなりました。そこで、アイティメディアが提供しているようなデジタルマーケティング施策を、製造業界のクライアントも導入するようになったんです。

――ここ数年で、製造業界のマーケティングは大幅に変化したのですね。デジタルマーケティング施策を提案する営業職として、見上さんはコロナ禍でどのような変化を経験したのでしょうか。

見上: まず大きく変わったのは、商談の形です。コロナ禍以前は、先方のオフィスにうかがって、会議室で顔を合わせて話をするのが主流でした。それがWeb会議に変わったことで、空気感は読みづらくなりましたね。クライアントの中には、カメラオフの方もいらっしゃいます。そうなると、発言のちょっとしたニュアンスなどは、どうしても分かりづらかったです。

 クライアントと直接お会いする機会がなくなって、もうひとつ変わったのが、課題のヒアリング手法でした。既に関係構築ができている既存のクライアントは、率直にいろいろと伝えてくださいます。一方で、新規に接点を持ったクライアントは、本音を聞き出すことが難しいです。Web会議になり、上司が同席しているので社内の様子を話しづらい……などの事情もありますが、先方も空気感の共有ができない状況は同じですから、本音を話しづらいのではないでしょうか。特に、窓口担当の方との商談で、意思決定権は別の方が持っている場合、社内での意思決定のために必要な要件をつかむのが難しくなっています。

 そこで、提案する側として、2つのことを心掛けるようにしました。まずはクライアントの目標やKPIを共有してもらうことです。具体的なゴールを共有することで、提案をよりピンポイントで訴求するものに調整できます。そして、窓口担当者が社内で稟議を通すために、より効果的な見せ方を考えました。

社員は「厳しくて頼れるお客様」

――ビジネスの前提条件が変化した中、見上さんも新しい仕事への取り組み方を模索されたのですね。その変化への即応によって、2022年度の年間セールスMVPを受賞されたのではないかと思います。1年間を通して、どのような取り組みをされていたのでしょうか?

見上: 2022年度は、オンライン化により、案件数が増えた1年間でした。まずは競合他社に勝てるように、とにかく動きを早くしました。

 また、もうひとつ心掛けたのは、社内のコミュニケーションを丁寧に行うことです。これは昔の上司の教えですが、営業職のお客様は2方向にいるのだそうです。ひとつはもちろん、案件を発注してくださるクライアントです。そしてもうひとつは、社内の関係者なんです。

 営業職は、案件を受注してくることはできます。しかし、案件をひとりで完結させることはできません。アイティメディアで言えば、記事を編集・執筆する役割、進行を管理する役割、デジタルイベントを運営する役割などは、他の社員に担ってもらわなくてはなりません。今年は、そうした社内の関係者とのコミュニケーションを特に丁寧に行いました。これまでのキャリアに照らして考えても、アイティメディアは異なる職種の社員が協力する体制がしっかり築かれていると感じます。昨年度も、企画を提案してもらったり、こちらからも相談したりと、いろいろと助けてもらいました。

 社内でコミュニケーションを取っていると、アイティメディアの社員には、厳しさがあると感じます。それは、案件を確実に成功させるための厳しさです。たとえクライアントと直接やり取りすることはなくても、全員がマーケットを向いて仕事をしています。

 また、アイティメディアの社員はひとりひとりが頼りになるプロフェッショナルです。仮にミスが起きてしまったら、クライアントに直接謝罪するのは営業職です。そのような場合でも、最大限の取り組みをした結果起きてしまったことだからやむを得ないと納得して、クライアントに許していただけるようコミュニケーションするのは自分の役割だと割り切って考えることができています。気持ちの面で、とてもありがたいことです。

――お話をうかがっていると、誰もが仕事の中で行う日々の取り組みに、改めて丁寧に向き合われたという印象があります。

見上: はい、今回の年間セールスMVP受賞は、目新しい取り組みによるものではありません。日々のタスクを着実にこなして、案件を獲得し、数字を積み上げられたからです。いわば基本の「き」を徹底したんです。長年の経験で身に付いたスケジュール管理法があり、それを実行したのもひとつでした。

 アイティメディアの営業職は、スタンドアローンで仕事をするのではなく、社内の関係者を巻き込むことが重要です。最先端のテクノロジーを扱う自社メディアをクライアントのマーケティングに役立てるためには、自分の知識だけではなく、他の社員の知見を借りることがどうしても必要になってきます。基本的なスケジュール管理をしっかり行うことは、社内で信頼してもらうためにも欠かせません。

踏ん張れる若手を育てたい

――見上さんの信頼感の裏に、これまでのキャリアで基本の重要性を強く認識されてきたことがあるのではないかと感じました。今後、キャリアの中でやってみたいことはありますか?

見上: これからは、若手の育成に貢献したいですね。若手とベテランでは、経験値の絶対的な差があります。私の経験から伝えられることはなんでも伝えたい、成長に惜しみなく貢献したいと考えています。本来であれば、年間セールスMVPは若手が受賞するものだと思うんです。私たちベテラン世代は踏み台にしてもらって(笑)。

 産まれたときからEメールがあったような今の新人世代と違って、私たちは電話やファックスでクライアントに連絡し、足で案件を獲得してくる仕事のやり方をしてきました。環境が違いますから、若手の業務手法が私たちベテラン世代と違うのは当たり前です。しかし、かつて2008年にリーマンショックがあった後のように、非常に厳しい時代がまた来ることもあると思います。そのような時に踏ん張れる強さ、図太さを、私たちは経験から得ています。若手の皆さんにも、その強さを持ってもらえればと思っています。

 私が所属する第7営業部は、たまたまですが、若手とベテランに二極化しています。若手社員は、入社まもなくからコロナ禍で在宅勤務となり、フィジカルなオフィスで先輩の仕事を見て学べる環境ではありませんでした。チームの一員という実感を持てず、疎外感を味わっているのではないかと、若手社員を預かるチーム長としても心配しています。また、若手社員から質問を受けても、「承知しました」と回答してはもらえるのですが、テキストコミュニケーションという制約がある中で、本質的なことが伝えきれなかったのではないかと歯がゆく思うこともあります。

 クライアントからも、コロナ禍で入社した新卒社員や若手社員の教育は、体感で3倍ほど時間がかかっていると聞いたことがあります。特に、第7営業部が担当している製造業は、学生の立場で直接関わることはなかなかないでしょうから、クライアント業界の雰囲気になじんでいくことにも苦労していると思うんです。リモートワーク環境の中でも、若手社員がなるべく疎外感を味わわないように、部やチームとして共にあると感じてもらい、若手社員に数字を伸ばしてもらうためにできることを、ここ1年ほどは特に考えました。具体的な取り組みのひとつとして、チャットなどの文章を、特に柔らかい印象が伝わるように工夫しています。テキストコミュニケーションでは、こちらが意図していなくても、きつい文章だと受け取られてしまうことがありますよね。顔を合わせた機会が少ないと、私の性格や普段の態度は、なかなか分からないと思いますから。

知識を分かち合うカルチャー

――最後に、見上さんが考える、アイティメディアの営業職の魅力を教えてください!

見上: まず、アイティメディアは、入社前のキャリアを問わず、独自の価値を見つけられる企業だと思います。当社が運営するWebメディアは、最先端のテクノロジー領域で、信頼性の高い情報を発信しているものばかりです。今後ますますデジタル化が進む世の中で、必要なメディアであり、企業であることは間違いありません。私も、テクノロジー情報を伝え社会貢献するメディア企業の一員という自負は、常に持つようにしています。

 そして、アイティメディアは社員を大切にする会社です。プライム上場企業の宿命で、予算は毎期高いレベルを要求されます。しかし、そのこととは別に、社員ひとりひとりのライフスタイルや意思が尊重されていて、同じゴールに向かって協力しようというカルチャーが共有されています。

 実例を挙げると、営業本部では、クライアントに高い評価を受けた提案書や、個々の営業職の知識がチャットで共有されています。見返りを求めず、自分たちの知識や経験をどんどん分かち合っていくんです。その他、会社全体でも、外部の教育機関と提携して、動画の視聴で基礎的なビジネススキルから専門的な知識まで学べる機会を提供していますよね。特に若手の育成機会として、とてもよい取り組みだと感じています。

 マサチューセッツ工科大学のベスト元学長の言葉で、「お金は分けると減るが、知識は分けると増える」というものがあるそうです。たとえば、私がチームの若手社員に知識を共有したら、チーム全体の知識量は共有した分だけ増えます。私はこの考え方が好きです。そして、アイティメディアでは、日々知識の共有が実践されています。

 アイティメディアでは、営業職が自ら企画を組み立て、担当のクライアントに提案するので、スキルを更に高めることができます。また、最新のデジタルマーケティングの知見を持った社員や、テクノロジー領域の情報発信者として信頼されている編集記者も多く所属しています。この会社でキャリアを積むことで、さらなる飛躍ができるのではないでしょうか。

――ありがとうございました! 見上さんのますますのご活躍を期待しております。