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男女共同参画プロジェクト担当者インタビュー 誰もが可能性を最大限に発揮できる企業へ

 アイティメディアは、2022年より本格的に男女共同参画(※)に取り組んでいます。Webメディア企業である当社の価値を生み出す源泉は「人」であり、社員ひとりひとりの力を引き出すことが当社の提供価値を高めることに繋がると考え、多様な働き方・考え方を認めて、どのような立場の社員であっても生き生きと働ける会社を目指しています。そのスタートとして、まず女性社員を支援することにしました。女性が働きやすくなり、キャリア上のチャレンジもしやすくなるよう、施策を企画し、運用しています。
※男女共同参画……現在は「女性活躍推進」という表現が使われることが多いですが、当社では性別を問わず全社員の価値発揮を支援したいという考えから、「男女共同参画プロジェクト」と表現しています。

 この記事では、男女共同参画施策の解説と、人事として男女共同参画担当のプロジェクトリーダーを担っている、管理本部 人事統括部 HRリクルート&サポート部の平岡佑美にインタビューを行い、男女共同参画プロジェクトの施策と、担当者の取り組みやプロジェクトが目指すビジョンをお伝えします。平岡は、男女共同参画プロジェクトのプロジェクトリーダーになってから、産休・育休を取得し、復帰しています。自身のライフイベントを経験したことで、施策への向き合い方が変わった経験も教えてもらいました。

つながりと気付きを作る施策

――平岡さんが、男女共同参画プロジェクトのプロジェクトリーダーとして行っている業務を教えてください。

平岡: 男女共同参画プロジェクトのプロジェクトリーダーとして、年2回、人事データを分析して男女共同参画における課題の特定と、それを解決するための施策の立案を行っています。

 人事データの分析については、入社・育成・退社といったデータを男女別、等級別、部署別などで詳細に確認して、多角的に情報を整理するようにしています。また、2025年度の施策としては、管理職候補者の意向醸成をテーマに、先に紹介した「女性コミュニティ」「リーダーシップワークショップ」「キャリアワークショップ」を開催しました。

――2025年に実施した3つの施策について、紹介をお願いします。

平岡: まず、女性コミュニティは、3か月に1回テーマを設けて、先輩社員の話を聞いたり、女性社員が抱えている悩みや課題を相談できる場です。それぞれの立場からの不安や悩み、課題を共有し、部署や職種を超えたつながりの形成を目指しています。心理的安全性が担保された中で、女性同士の対話を深め、キャリアの視野を広げられます。

 何回かコミュニティを開催して、参加者の皆さんが抱えている不安や悩みを先輩社員に率直に質問して、その場で意見交換できる貴重な時間だと感じています。また、一度顔見知りになれば、何かあったときに頼れる人が増えますので、そういった意味でもぜひ今後もコミュニティに参加してもらいたいなと思っています!

 次に、リーダーシップ研修は、管理職任用が近い等級の女性社員を対象にした研修です。内容は、リーダーシップに対する自らの思い込みに気付くこと、自分らしいリーダーシップのスタイルを見つけることです。強みを活かした多様なリーダー像があってよいという気付きを提供することで、キャリア開発やリーダー意識の醸成を目的としています。

 この研修では、リーダーシップというテーマについて、自身のwill(やりたいこと)と照らし合わせながら整理できたと思います。リーダーシップワークショップについては、半年後に振り返りの時間も設けているため、皆さんの変化が楽しみです。

 最後に、キャリア研修は、これからキャリア形成していく段階の女性社員を対象にした研修です。ライフ・ワーク双方の観点から、女性は特に前倒して経験・スキルアップを考える必要があることの理解を促します。そして、現在のスキルや強み・弱み、起こりうるライフイベントから、今後のキャリア計画を考えます。自分のキャリアを主体的に考え、管理職とスペシャリストという2つの将来像のどちらがより望ましいか検討する機会を提供したものです。

 参加者からは、「普段、同年代とキャリアについて話す機会がないので、キャリアを見つめなおすいい機会になった」と感想をもらいました。女性はライフイベントによってキャリアの選択をせまられることも多いため、今後のキャリアとの向き合い方のヒントを提供できていたらよいなと思います。

ライフとキャリアで「幸せな選択」をする

――キャリア形成のお話がありましたが、平岡さんのこれまでのキャリアを教えていただけますか。

平岡: 私は2回転職していて、アイティメディアは3社目です。ふとしたことから改めてキャリアを見つめ直したとき、もっと人の成長に関われる仕事をしたいと考えて、未経験だった人事への転職を決意しました。

 私に挑戦機会をくれたのが、アイティメディアでした。当時、ちょうど人事制度が新しくなった時期で、そこに懸ける想いに共感をして入社しました。とはいえ、最初からキャリアや育成というやりたいことに携われたわけではありません。アサインされた業務を通じてできることを増やし、国家資格のキャリアコンサルタントも取得して、力を付けました。

 その甲斐もあって、入社から2年目に、男女共同参画プロジェクトのプロジェクトリーダーを任されました。抽象度が高く難しいテーマなので、不安はありました。でも、「バッターボックスに立たなければホームランは打てない」という上司の言葉を思い出し、チャレンジすることにしました。そこからは上司や周囲の協力もあって、課題の特定と施策をまとめることができ、社内表彰も受賞するうれしい結果になりました。産休・育休を挟み、現在も男女共同参画プロジェクトのプロジェクトリーダーとして、社員のキャリアに携わっています。

――お話しいただいた通り、平岡さんは、2023年に産休・育休を取得されましたよね。ライフイベントとキャリアの両立という、男女共同参画でも重要なテーマをご自身でも経験されて、考えの変化や気づきはありましたか。

平岡: 産休・育休前は、子供を持つことの大変さをリアルにイメージできていなかったなと思います。復職にあたっても、なんとかなると思っていたところがありましたが、実際に復職してみると、保育園からの突然のお迎え要請や急な自宅保育などイレギュラーが起こりすぎて、数か月間は業務をうまく回すことができませんでした。「このまま仕事を続けていけるのかな……」と自信をなくしましたが、部のメンバーの理解と助け、上司との対話でなんとかモチベーションを維持できていました。

 私の実感としては、共働きが当たり前の世の中とはいえ、家事・育児で女性にかかる負担の比率は大きいと思います。もちろん個々の状況にもよりますが、女性はライフイベントがキャリアの選択肢に影響することがまだまだ多いです。自由に動けるときに仕事の経験を積んだり、周囲からの信頼貯金を貯める努力をしたりと、早め早めに動いて自らキャリアを作ることが、ライフイベントとキャリアを両立させる幸せな選択をするために大切なことだと改めて思いました。

誰もが前向きに挑戦できる会社を作る

――平岡さんが達成したい、男女共同参画プロジェクトのビジョンを教えてください。

平岡: まず数字の面では、アイティメディアが目標として掲げている2030年の女性管理職比率30%を達成することです。取り組みを始めた当初の2021年の女性管理職比率は10.3%だったのが、2025年7月時点では25.0%と、2倍以上に伸ばすことができました。その中でも、プレイングマネージャーに近い管理職の女性比率は30%に近づいているため、今後はより上位の意思決定を行う管理職の女性比率を増やす取り組みをしたいですね。

 しかし、数字の達成はあくまでも通過点としてとらえています。プロジェクトの目的は、男女共同参画を推進する中で、社員ひとりひとりと向き合い、多様な価値観を組織文化として根付かせることだと思います。現在は女性にフォーカスしていますが、誰もが自身の能力や適性に応じた役割に前向きに挑戦できる風土を築いていくための、必要なステップだと考えています。

 最終的には、全ての役職において男女差のない比率が理想だと考えています。大きく果てしない目標ではありますが、実現できるようこれからも尽力していきます。男女共同参画プロジェクトの推進を通じて、社員の皆さんが生き生きと働き、一人ひとりの可能性を最大限に発揮できる会社にしていきたいです!