社長が語る、アイティメディアの5ヵ年計画

 社長の大槻が従業員の疑問に直接答えるライブ配信、通称「大槻チャンネル」の第2回が開催されました。
※第1回の模様は社長が語る、アイティメディアがデジタルイベントを始めた理由をご覧ください。

 アイティメディアでは、2020年7月から導入された「スマートワーク制度」(※)により、社員の多様な価値発揮がより高いレベルで実現できています。一方、出社してのコミュニケーションが難しい状態は依然として続き、全社的な状況が見えにくいとの声も上がるようになりました。こうした声への対応として、社長が社員の疑問に答え、直接声を届けるために設けたのが、「大槻チャンネル」です。
※スマートワーク制度については働く場所を選べる!価値発揮を最大化する「スマートワーク制度」とはをご覧ください。

 今回の大槻チャンネルのトピックは「中期計画」です。アイティメディアでは5ヵ年の中期計画を作成しており、2016年から2020年にかけての中期計画を「W20(ダブルトゥエンティ)」と名付けています。この中期計画は、上述のように当社が5年前から掲げており、第3四半期の決算資料にも記載されています。しかし、あらかじめ行ったアンケートで、直近の入社者から「W20」に関して意図や背景への質問が多く出たため、第2回大槻チャンネルのテーマとして取り上げました。

アイティメディアの中期計画

――そもそも「中期計画」とは何なのでしょうか?

大槻: 中期計画は、多くの企業で作られている、名前の通り中期的な事業計画です。当社も創業時から作っています。一般的に、5ヵ年または10ヵ年単位です。皆さんも、将来事業責任者になる、もしくは起業すると作ることになると思います。

 作る目的は3つあります。
 ①自己資金のみで経営しない限り、会社には資金を集めるための計画が必要です。つまり、株主との約束のようなものです。
 ②複数年にわたる設備投資(Capex)や事業運営費(Opex)といった投資判断のためです。
 ③チームとしての企業が目指すゴールと、それに向かう上でのギャップを埋めるためです。

 中期計画を作る際、基本的にはまだ存在していない新規事業で上乗せなどはしません。今あるビジネスモデルで計画を作ります。

――では、具体的に当社の中期計画についてお聞きします。まず、1つ前の中期計画として「Beyond6(ビヨンドシックス)」というものがありましたが、これについて教えてください。

大槻: 「Beyond6」は、2011年から2015年に至る前回の中期計画です。

 当社は、2007年東証マザーズに上場し、同年、当時の過去最高益5億7500万の営業利益を出しました。しかし、翌2008年にリーマンショックが起こり、世界は経済危機に見舞われます。当社もその影響を免れず、売上が大幅に減少し、2年連続赤字転落となりました。

 その時に、V字回復を目指して設定した5カ年計画が「Beyond6」です。過去最高益である5億7500万を超えてこそ、真のV字回復と考え、営業利益6億円超を目指す意味で「Beyond6」と名付けました。

――その後、2015年に見事「Beyond6」を達成できた要因は何だったのでしょうか?

大槻: 達成要因は2つあります。リストラクチャリングとリードジェネレーション事業(以下「LG事業」・※1)の成長です。

 まずは、リストラクチャリングです。不採算事業の撤退と固定費の削減を行いました。エンジニア人財事業、動画事業、SNSなど将来に向けた新規事業への投資をストップしたのです。さらに、固定費の削減として、ビルの移転、役員報酬のカット、さらに従業員の給与一律カットも行いました。とりわけ、従業員の給与一律カットは、20年間、社長として行ってきた意思決定の中で最もつらいものでした。当時の従業員には迷惑をかけたと申し訳ない気持ちでいっぱいですが、同時によく耐えてくれたと感謝しています。

 次に、LG事業の成長です。これについては、価格戦略の刷新が最大の成功要因です。当時は掲載期間に応じて料金をもらう、顧客にとっては成果がまちまちのモデルでしたが、これを成果保証モデルへと思い切って転換しました。この時、真の意味でLG事業が誕生したと考えています。この転換が、同様のビジネスモデルを持っていた「キーマンズネット」(※2)統合のきっかけともなりました。また、パートナー企業の米TechTarget社のノウハウを学習するため、ボストンにメンバーを帯同しました。ここで、マーケティングの活動全ての効果を検証し管理するキャンペーンマネジメント部門(※3)の存在を知り、帰国後に帯同メンバーが当社の内部にもキャンペーンマネジメント部門を立ち上げたのです。
※1リードジェネレーション事業についての詳しい説明は今さら聞けないアイティメディアのビジネスモデルをご覧ください。
※2「キーマンズネット」とは、企業のIT製品選びをサポートする会員制の総合情報サイト。2015年4月、株式会社リクルートマーケティングパートナーズから当社へ譲渡されました。
※3キャンペーンマネジメント部門とは、見込み顧客の特定から獲得などのマーケティングコミュニケーション全般を担う部署です。

――そして2015年、新たに中期計画「W20」を打ち立てたわけですね?

大槻: 2015年度に、当社は営業利益8億1900万となり、見事「Beyond6」を達成しました。同時に、同業の「キーマンズネット」との統合に成功します。これによって、LGマーケットの圧倒的地位を固めました。2016年4月には、「Beyond6」達成の祝賀パーティと「W20」のキックオフを、従業員とその家族をテーマパークに招いて盛大に行いました。

 新しい中期計画では、2020年に営業利益20億円を目標にしようと考えました。そのため「W20」と命名したのです。当時の成長シナリオは、LG事業中心でした。その他にも「ねとらぼ」や「ITmedia ビジネスオンライン」、発注ナビなどの子会社の成長も含めた計画です。この実現に向けて、世界一のLGシステムを作るという目標を立て、3年間と2億5000万円をかけて、LBP(※)開発も行いました。
※LBP(LeadGen. Business Platform)とは、競争力の高いLG事業を実現するノウハウが反映されたアイティメディア独自のシステム。2018年に完成し、メディアごとに独立していたシステムを統合、効率化だけでなく顧客の利便性向上も実現しました。

――今期がその「W20」の最終年度です。「W20」達成に向けて取り組んできたことや、計画時に想定していなかった環境変化について教えてください。

大槻: 「W20」は、目標こそ高いものの、LG事業を中心に成長シナリオとポートフォリオはありました。しかし、5ヵ年の前半でLG事業が足踏みします。これは、外部環境の停滞感と内部課題の顕在化が理由でした。

 「キーマンズネット」との統合プロセスは、まず営業統合、次に商品統合、最後にシステム統合の順で行いましたが、効果は両社のレガシーシステムに代わるLBPの完成待ちでした。この間、人員不足や目標とのギャップ、マネジメント不足などが原因となり、退職者が増加します。これを課題ととらえ、当社では内部の改善に取り組みました。しっかりした評価と報酬を保証する新人事制度を筆頭に、人員の投入とアロケーション、マネジメントの強化などを行ったのです。また、予定より1年遅れましたが、2019年には東証1部への市場変更にも成功しました。こうして、「W20」の4年目である2019年度は、しっかりした成長を取り戻す手応えがありました。

――最後に、W20達成に向け、社員にメッセージをお願いします。

大槻: 今期は、皆さんご存じの通り、新型コロナウィルスにより大きな環境変化がありました。加速度的にデジタル化を求められる社会の中で、テクノロジーの役割が一層大きくなったのです。B2Bマーケティングにおいてもデジタル化が急速に進み、後発となった製造業もデジタルイベントにシフトしました。そんな中で当社は、早期に在宅中心の働き方にスイッチできたこともあり、競争力や効率が向上しています。私は、当社は今期のみにとどまらない中期成長トレンドに入ったのではないかと考えています。また特需的要素もあって、今期は過去最高の業績となるのではないでしょうか。こうした業績の立役者であるデジタルイベントのみならず、ほぼすべての事業ユニットが好調となっています。このような状況下で、上期までは難しいと思われた、「W20」の実現が視野に入ってきました。そこで、ここまできたらぜひ「W20」を達成しようと、2020年末からカウントダウンに入ったのです。

 現在、幹部中心に「W20」の達成に向けて進んでいます。社員の皆さんには、それぞれの持ち場で今向き合っている課題をしっかりクリアしていけば、「W20」は達成できると信じていてほしいと考えています。

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 現在、アイティメディアでは全社一丸となって、「W20」の達成に向けて取り組んでいます。もし達成が現実のものとなれば、また全社の喜びの声などを広報したいと計画中です。

 そして、達成を迎える頃には、新しいメンバーの皆さんにも入社していただきたいとも思っています。

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