アイティメディアの「編集記者」ってどんな仕事?

 「メディア企業の仕事」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、掲載する記事を作る編集の仕事ではないでしょうか。アイティメディアでは、記事を作るための取材から執筆までを自 行う「記者」としての仕事もあれば、外部ライターなどに発注したコンテンツや翻訳した海外コンテンツなどを編集する「編集者」としての仕事も行うため、記事制作を専門とする職種を「編集記者」と呼んでいます。

 今回はそんな編集記者の仕事を、若手社員の実例を交えながらご紹介します。

アイティメディアの編集記者ってどんな仕事?

 ひとくちに編集記者といっても、どんな仕事が中心になるかは媒体によって異なります。まずはアイティメディアにはどんな媒体があるのか、簡単にご説明しましょう。

ITmedia NEWS
ITによるビジネス変革や課題解決を目指すビジネスパーソン向けに、テクノロジーの最新情報を伝えるメディア。AI・ロボットやクラウドコンピューティングなど、特定の領域に特化したチャンネルも設けている。

ITmedia Mobile
スマートフォンをはじめとしたモバイル機器の総合情報メディア。話題の機種から通信キャリアの動向まで、幅広い情報を提供している。

ITmedia PC USER
Windows PCやMacからSOHO/SMB向けのオフィス機器まで、広範囲をカバーするPCの総合情報メディア。注目機種のレビューや発表会リポートなど、PCや関連製品の選択に役立つ情報を発信している。

Fav-Log by ITmedia
「お気に入り」の製品の発見をサポートする情報サイト。PCやタブレット、スマートフォンなどのガジェットやデジタル家電、アウトドア製品など、幅広い製品をジャンル別に紹介している。

ITmedia ビジネスオンライン
ビジネス現場で情報収集や問題解決に取り組むビジネスリーダー向けに、企業ビジネスの最新動向や事例を紹介するメディア。テレワークや働き方改革など、注目のビジネストピックスも積極的に取り上げている。

ITmedia エンタープライズ
企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するITリーダー層向けに、実践的な情報を提供するテクノロジーメディア。デジタル化による業務プロセスの効率化、サイバーセキュリティ対策など、企業がビジネス環境の変化に対応するための情報を発信している。

ITmedia エグゼクティブ
ITを活用した企業変革を目指す経営層向けメディア。ビジネスプロセスをいかにして変えるか、最新の技術やサービスを経営戦略にどう生かすかといった情報を、掲載コンテンツやセミナーを通じて発信している。

ITmedia マーケティング
経営企画や広報など企業のマーケティング活動に関わる人向けのメディア。デジタルマーケティング戦略の立て方や効果測定、業界の最新事例など、現場担当者の実務に役立つ情報を発信している。

@IT
システム構築に携わるITエンジニア向けの技術専門メディア。業界動向や技術トレンドといった業務に役立つ情報からキャリア形成のヒントまで、幅広い情報を提供している。

キーマンズネット
企業でIT製品の選定や導入を担当する人向けの会員制メディア。企業向けIT製品の紹介や導入事例、ホワイトペーパー(技術資料)などを掲載している。

TechTargetジャパン
企業でITインフラや情報システムの導入・運用管理を担当する人向けのメディア。クラウド、サーバ&ストレージ、システム運用管理、セキュリティなどトピックごとに事例紹介記事や技術解説記事や提供している。

TechFactory
製造業のための製品・サービス導入情報を掲載する会員制メディア。製造業向けのサービス紹介や導入事例、製品導入に向けたホワイトペーパーなどを幅広く取り扱っている。

MONOist
製造業エンジニア向けのテクノロジーメディア。組み込み開発、メカ設計、製造マネジメント、オートモーティブの4領域を中心に、さまざまな技術情報を発信している。

EE Times Japan
エレクトロニクス(電子工学)業界のビジネス動向や技術トレンドを、エンジニアやマネジメント層向けに発信するメディア。半導体や電子部品、ディスプレイ、設計開発ツールなどの情報を取り扱っている。

EDN Japan
 電子機器やエレクトロニクス技術を開発・設計するエンジニア向けの専門技術メディア。国内外で活躍するエンジニアが技術開発や設計のノウハウなどの紹介記事を執筆しており、現場で生かすことのできる実用的な技術情報を発信している。

スマートジャパン
企業や自治体の総務部・システム部、店舗運営者など向けに、節電・蓄電・発電など電力とエネルギーに関する情報を発信するメディア。電力管理や省電力化を実現する製品情報、導入事例などの情報を掲載している。

BUILT
人材不足や技能伝承といった建築・建設業界の課題の解決をサポートするためのテクノロジーメディア。設計や施工から維持管理まで、一連のプロセスに関わる製品情報や導入事例、実践例など、多様な情報を提供している。

ねとらぼ
ネットユーザーの間で盛り上がっている話題や出来事、新製品・サービスなど、ネットの旬な情報を幅広く取り上げるメディア。エンタメ、お金、スポーツといったテーマやコンセプトに合わせた新サイトも順次開設している。

 媒体ごとに編集部があり、それぞれ記事の制作・編集を行っています。編集記者自身が記事を書くことが多い媒体もあれば、専門家やライターに依頼した記事を編集することが多い媒体もあります。どちらの比重が大きいかは、その媒体の方針や読者のニーズ次第。いずれにせよ、媒体がカバーする領域について学び続けることが重要です。

編集記者ってどんな記事を書いているの?

 どんなネタを記事にするのかも、媒体によって異なります。話題のニュースをより詳しく調べたり、企業のプレスリリースをチェックしたり、海外ニュースを確認したり、ネット上のトレンドをチェックしたり……と、記事を書くきっかけはさまざま。

 同じ話題を複数の媒体で取り上げることもありますが、どんな切り口で紹介するかも媒体によって変わります。媒体が違えば、読者のニーズも違うからです。例えば、新しい無人決済店舗システムが発表されたとして、「技術的にどんなところが新しいのか知りたい人」と「実際に店舗に導入したい人」では求めている情報が違いますよね。

 以前別の記事でもお伝えしたように、当社のメディアの価値はそこに集まる読者にあり、編集記者は読者を第一に考えてコンテンツを作らなければなりません。

21年3月期第1四半期決算資料より。付加価値の高い専門メディアとして記事を提供する→情報感度が高く購買意欲の高い読者がメディアに集まる→そんな読者との接点という価値をクライアントにも提供できるようになる――というサイクルを回すことで、アイティメディアのビジネスは成立している

 

 もちろん、編集記者自身の「これが好き」「これが気になる」といった興味関心も記事作りのきっかけにはなりますが、大切なのは「読者のニーズに応えること」。好きなものを好きに書いているわけではないのです。

 配属先がどの編集部であれ、「どんな領域のどんな情報を提供するメディアなのか」をしっかりと定義し、それに見合うコンテンツを提供していくことに代わりはありません。編集記者は常に「自分の媒体の読者は何を求めているのか、どんな情報を知りたいと思っているのか」を考えて記事を書いているということを、編集記者志望の方は忘れないようにしてください。

 また、編集記者は「媒体の読者について最も詳しい人」として、営業職や企画職とともに広告制作に携わることもあります。記事広告の執筆や編集だけでなく、クライアントとの打ち合わせに同行し、記事広告の方針や構成を提案する機会もありますので、社内外の人とチームを組んで仕事を進めるコミュニケーション力も求められます。

実際、編集記者って毎日どんな仕事をしているの?

 続いて、若手社員の1日を例に、編集記者の仕事をもう少し詳しく見ていきましょう。なお、現在アイティメディアでは2020年7月から部門ごとに設定した出社日(週1日)以外は働く場所を自分で選択できる「スマートワーク制度」を実施しています。現在は新型コロナウイルスによる影響を加味し、多くの社員がほぼ毎日在宅勤務を行っています。今回ご紹介するタイムスケジュールも、在宅勤務中のものです。

【執筆多めのCさんの場合】

10:00~10:30 起床・朝食・身支度
10:30~14:00 ネタ探しと記事執筆(2本)、メール対応、編集部会議(30分ほど)
11:00~14:00 社内作業、社外電話、メール対応
14:00~15:00 休憩・昼食
15:00~19:30 ネタ探しと記事執筆(2本)、オンライン取材(1時間ほど)、メール対応
19:30~02:30 家事・余暇(趣味の記事制作、動画作成といった創作活動)
2:00~10:00 就寝、睡眠

~ポイント~
①編集記者職の働き方は等級によって変わります。新入社員はA等級からスタートし、C等級まではフレックスタイム制。フレックスタイム制のコアタイムは10:00~16:00または10:30~16:30で、実働時間は7時間45分
(※等級制度の詳細はこちら
②D等級以上の個人価値コースになると、専門業務型の裁量労働制が適用され、より柔軟な働き方が可能になります。夜型の人が多い一方、朝早くから業務を始めて夜はさっと切り上げる人も
③在宅勤務中のやりとりは基本的にSlack。多くの編集部では原稿チェックなどにも活用しています
④取材も今はオンラインが中心。オンライン記者会見に参加したり、決算説明会のライブ動画を視聴したりしながら記事を書くこともあります

【編集多めのDさんの場合】

9:40~09:50 起床・身支度
9:50~10:10 メール対応、編集会議など(リモートで朝礼があるため参加)
10:10~11:00 翻訳記事の選定
11:00~12:00 タイアップ記事の打ち合わせ、取材案作成
12:00~13:00 昼食
13:00~15:00 取材(記者会見や個別取材、タイアップ取材など)
15:00~18:00 記事執筆
18:00~20:00 記事編集(翻訳記事や発注原稿の編集)
20:00~21:30 夕食
21:30~22:00 作業(中抜けして夕食を取った後、残った作業をして終わり)
22:00~ 2:00 余暇・運動

~ポイント~

①在宅勤務中は朝礼や編集会議もほとんどがリモート
②媒体によっては米国版から記事を選んで翻訳・編集することも
③ひと口に取材といっても、記者会見や個別取材、タイアップ取材など内容はさまざま。記事広告制作では、取材前に営業と打ち合わせをしたり、クライアントに渡す取材案を作成したりするのも編集の仕事です
④在宅勤務中は通勤がない分、身体を動かす機会はぐっと減ります。「軽い運動はしておいた方がいい」とのこと

 ■ □ ■

アイティメディアの編集記者を目指す方へ

 メディア企業に欠かせない編集記者の仕事ですが、当社の編集記者を目指す方には1つ、意識してほしいポイントがあります。それは、編集記者は「単に記事を作るだけの仕事でも、自分の好きなことを好きなように書く仕事でもない」ということです。

 繰り返しになりますが、当社のメディアの価値はそこに集まる読者にあります。読者が「ここを見れば自分の知りたいことが分かる」「このメディアの情報は信じられる」と感じて当社のメディアに繰り返し足を運んでくれるからこそ、広告やリードジェネレーションといったビジネスモデルが成立し、「読者のためのメディア」を運営し続けるためのお金を稼ぐことができるのです。

 当社の編集記者の仕事は、それぞれの読者にとって価値のある、コンテンツを通じて情報を届けること。「読者ファースト」で誠実にコンテンツを提供していくためにも、編集記者自身がWebメディアのビジネスモデルについて、しっかりと考えなければいけません。