アイティメディア、ITエンジニアの資格取得状況について調査結果を発表
~74.8%がIT関連の資格を保有。今後取得したい資格のトップは「プロジェクトマネージャ」~
アイティメディア株式会社
アイティメディア株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大槻利樹、東証マザーズ、証券コード:2148)は、2007年11月8日から23日の期間、ITエンジニアを対象とした「@IT自分戦略研究所 読者調査」を実施し、ITエンジニアの保有資格の実態やスキルアップのための研修受講状況について調査しました(回答数:996。Webページ上での自己回答式)。
その結果、保有資格、取得希望資格ともに国家資格が上位を占め、ITエンジニアが民間企業の資格のような特定の製品に特化したスキルよりも、汎用的なスキルを有する証を求めている実態がわかりました。また、スキルアップのための研修受講状況からは、ITエンジニアが自分のスキルアップについて所属企業に依存しなくなっている可能性もうかがえます。
本調査への回答者のうち、現在IT関連の資格を保有しているITエンジニアは、74.8%(745人)でした〔単数回答〕。保有資格は、回答数の多い順に、1位:「基本情報技術者[情報処理技術者試験]」(45.6%)、2位:「初級システムアドミニストレータ[同]」(22.4%)、3位:「ソフトウェア開発技術者[同]」(20.0%)となっています(*1)。以降、4位:「MCP[マイクロソフト]」(*2)(12.4%)、5位:「ORACLE MASTER Silver Oracle Database[日本オラクル]」(*3)(9.7%)と、国家資格以外の資格が続きます〔複数回答〕【表1】。
資格取得に対する希望について聞いてみると、“今後IT関連の資格取得をめざす”というITエンジニアは、回答者全体の84.8%(845人)でした〔単数回答〕。取得希望の資格は、1位:「プロジェクトマネージャ[情報処理技術者試験]」(24.3%)、2位:「テクニカルエンジニア:ネットワーク[同]」(23.8%)、3位:「テクニカルエンジニア:データベース[同]」(23.3%)、4位:「テクニカルエンジニア:情報セキュリティ[同]」(22.5%)、5位:「ソフトウェア開発技術者[同]」(20.4%)となっており、保有資格と同様、国家資格への関心が高いことがわかります(*1)〔複数回答〕【表2】。
さらに、回答者のうち有職者972名に、スキルアップのための研修受講状況について調査を行ったところ、55.2%(537名)が過去1年以内にスキルアップのための研修(オンライン含む)を受けた経験があることがわかりました〔単数回答〕【図1】。また、受講経験者に対しその主な費用負担について聞いてみると、37.6%が“自費で受講した”と回答しており、昨年の調査結果と比較して12.1%増加(昨年:25.5%)しています。一方で、“勤務先の会社負担で受講”は62.4%でした(昨年:74.5%)〔単数回答〕。この結果について、当社では「“自費で受講した”割合が増えたことについては、ITエンジニアが自分のスキルアップについて所属企業に依存しなくなっている可能性もあり、ITエンジニアと企業との関係を考えるうえでも注視すべき結果」(「@IT自分戦略研究所」発行人 小林教至)と分析しています。
アイティメディアは、上記の結果や読者からの意見をもとに、ITエンジニアのスキルアップ支援情報・サービスの一層の拡充を図ります。
なお、本調査は、当社の運営するITエンジニアのキャリアアップ支援情報サイト「@IT(アットマーク・アイティ)自分戦略研究所( http://jibun.atmarkit.co.jp/ )」が、同サイトの読者等を対象に、2001年から毎年実施しているものです。調査結果の詳細は、「@IT自分戦略研究所」の記事「身に付けたいスキル、何ですか?」( http://jibun.atmarkit.co.jp/lskill01/special/07skill01/07skill01.html )に掲載しています。
主な調査結果
調査概要
調査名 | 「@IT自分戦略研究所 読者調査 2007年秋季版」 |
---|---|
調査期間 | 2007年11月8日(木)~11月23日(金) |
調査方法 | Webページ上での自己回答式 |
調査対象 | 当社の運営する「@IT自分戦略研究所」の読者等 |
回答者数 | 996名 |
ITエンジニアの保有資格:「基本情報技術者」「初級システムアドミニストレータ」
Q次の資格の中で、あなたがすでに取得済みのものがあれば、それぞれいくつでもお選びください。
【表1】取得している資格 上位〔複数回答〕
順位 | 資格名称 | 回答数(人) | % |
---|---|---|---|
1位 | 基本情報技術者 [情] | 454 | 45.6 |
2位 | 初級システムアドミニストレータ[情] | 223 | 22.4 |
3位 | ソフトウェア開発技術者[情] | 199 | 20.0 |
4位 | MCP(Microsoft Certified Professional)(*2) | 124 | 12.4 |
5位 | ORACLE MASTER Silver Oracle Database (*3) | 97 | 9.7 |
6位 | ORACLE Silver Fellow (*3) | 87 | 8.7 |
7位 | SJC-P(Sun Certified Programmer)(*4) | 86 | 8.6 |
8位 | テクニカルエンジニア:ネットワーク[情] | 65 | 6.5 |
9位 | ORACLE MASTER Bronze Oracle Database(*3) | 63 | 6.3 |
10位 | CCNA(Cisco Certified Network Associate)(*5) | 62 | 6.2 |
※[情]:情報処理技術者試験による国家資格(*1)
ITエンジニアが今後取得したい資格:「プロジェクトマネージャ」「テクニカルエンジニア」
Q次の資格の中で、あなたが今後取得をめざしているものがあれば、それぞれいくつでもお選びください。
【表2】今後取得をめざす資格 上位〔複数回答〕
順位 | 資格名称 | 回答数(人) | % |
---|---|---|---|
1位 | プロジェクトマネージャ [情] | 242 | 24.3 |
2位 | テクニカルエンジニア:ネットワーク [情] | 237 | 23.8 |
3位 | テクニカルエンジニア:データベース [情] | 232 | 23.3 |
4位 | テクニカルエンジニア:情報セキュリティ [情] | 224 | 22.5 |
5位 | ソフトウェア開発技術者 [情] | 203 | 20.4 |
6位 | 情報セキュリティアドミニストレータ [情] | 168 | 16.9 |
7位 | アプリケーションエンジニア [情] | 166 | 16.7 |
8位 | ORACLE MASTER Silver Oracle Database (*3) | 157 | 15.8 |
9位 | システムアナリスト [情] | 155 | 15.6 |
10位 | テクニカルエンジニア:システム管理 [情] | 149 | 15.0 |
※[情]:情報処理技術者試験による国家資格(*1)
ITエンジニアの研修受講状況(有職者のみ)
Qあなたは過去1年間に、スキルアップのための研修(オフラインまたはオンライン)を受講しましたか?
【図1】過去1年間の研修受講状況〔単数回答〕(n=972)
【図2】研修受講のための主な費用負担(上記で「受講した」を選択した回答者)
〔単数回答〕
回答者プロフィール
- 回答者の平均年齢は33.7歳。最頻値は30歳~34歳で、20代後半から30代前半がボリュームゾーン。
- 職種は「システム分析・設計/SE」(29.3%)を筆頭に、回答者の84.2%がIT関連エンジニアです【図3】。
【図3】回答者の職種分布〔単数回答〕
調査結果の引用について
本調査結果を転載または引用する場合は、「@IT自分戦略研究所 読者調査 2007年秋季版」と出典を明記してください。また、転載・引用の旨を当社までご一報ください。本調査結果の詳しいレポートをご希望の場合は、当社までメールにてご連絡ください。
*1 情報処理技術者試験
経済産業省が情報処理に関して必要な知識と技能について行う国家試験の総称。独立行政法人情報処理推進機構が運営し、2008年1月現在、以下を含む14種類の試験がある。
- 基本情報技術者
情報技術全般に関する基本的な知識・技能を持つことを認定する資格。 - 初級システムアドミニストレータ
企業内のシステム管理者の能力を認定する資格。 - ソフトウェア開発技術者
設計書の作成をはじめ、プログラムの開発からテストまでの一連のソフトウェア開発の能力を認定する資格。 - プロジェクトマネージャ
情報システムの開発プロジェクトを監督する能力を認定する資格。 - テクニカルエンジニア:ネットワーク
ネットワークの設計から構築、運用を担当し、ネットワーク資源の活用、システム開発プロジェクトにおける関連部門の技術指導等を行う能力を認定する資格。 - テクニカルエンジニア:データベース
企業内システムのデータベースを管理する立場として、基幹データベースの構築と管理等を行う能力を認定する資格。 - テクニカルエンジニア:情報セキュリティ
情報システムにおいて、セキュリティ機能の計画・設計・構築等を推進または支援する能力を認定する資格。 - 情報セキュリティアドミニストレータ
企業内の情報セキュリティに関する知識を持ち、現場責任者として情報セキュリティに関する能力を認定する資格。 - アプリケーションエンジニア
情報システムの仕様策定やプロジェクトの統括を行う能力を認定する資格。 - システムアナリスト
情報戦略の立案をはじめ、情報システムを企画・分析・評価する能力を認定する資格。 - テクニカルエンジニア:システム管理
情報システムを管理する能力を認定する資格。
*2 MCP(Microsoft Certified Professional)
マイクロソフト株式会社による、マイクロソフト製品に関する実践的スキルや幅広い知識を持つことを証明する資格。
*3 ORACLE MASTER(オラクルマスター)、ORACLE Silver Fellow
日本オラクル株式会社による、Oracle製品を扱う技術の認定資格。データベース管理・運用、アプリケーション開発に大別され、それぞれ「Bronze」「Silver」「Gold」「Platinum」にランク分けされる。
*4 SJC-P(Sun Certified Programmer for the Java Platform)
サン・マイクロシステムズ株式会社による、Javaの技術力・開発力・設計力のスキルレベルを認定する資格。
*5 CCNA(Cisco Certified Network Associate)
シスコシステムズ合同会社による、中小規模のネットワークの導入、設定、運用等を行う能力を認定する資格。
以上
本件に関するお問い合わせ
- アイティメディア株式会社 広報担当
https://corp.itmedia.co.jp/pr/inquiry/