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HOME > プレスルーム > アイティメディア、ITエンジニアのスキルについて2008年度の調査結果を発表

2008年12月11日
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アイティメディア株式会社

アイティメディア株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大槻利樹)は、2008年10月21日から10月31日までの期間、ITエンジニアを対象とした「@IT自分戦略研究所/JOB@IT読者調査」を実施し、ITエンジニアのスキル保有状況と今後身につけたいスキルについて調査しました(回答数:913。Webページ上での自己回答式)。

テクニカル・スキルと職務内容

ITエンジニアが保有するテクニカル・スキルは、保有率の高い順に、「Windowsシステム管理」(48.7%)、「データベース構築/管理」(39.5%)、「クライアント/サーバ系開発」(38.2%)でした。“今後身につけたいスキル”としては「セキュリティ設計/実装」(45.2%)、「ネットワーク構築/管理」(40.0%)、「データベース構築/管理」(38.1%)となりました[ともに複数回答]【表1】【表2】

上記の“現在保有するテクニカル・スキル”と“今後保有したいテクニカル・スキル”を(1)一部の技術者に使われている技術、(2)発展途上の技術、(3)広く使われている技術、(4)成熟した技術という4つの象限にマッピングしてみると、「セキュリティ設計/実装/運用」は“発展途上の技術”から“広く使われている技術”への移行過程にあることがわかります。また、Web開発用のスクリプト言語「Ruby/Ruby on Rails」が“一部の技術者に使われている技術”から“発展途上の技術”への移行過程に位置しており、広く活用される技術として存在感を増してきていることがうかがえます【図1】

有職者899人のうち、現在の職務で最も多いのは「システム分析・SE」(21.6%)で、「プロジェクト・マネージャ/リーダー」(14.2%)、「プログラミング/テスト」(12.6%)が続きます。また、“今後就きたい職務”としては、「プロジェクト・マネージャ/リーダー」(14.3%)の人気は現状と変わりませんが、「ITアーキテクト」(12.9%)、「ITコンサルタント/アナリスト」(12.3%)等にも支持が集まりました[ともに単数回答]【表3】。なお、回答者の平均年齢は36.1歳(加重平均)です。

ビジネス・ヒューマンスキルの獲得や社会人大学への関心

回答者にビジネス・ヒューマンスキルへの関心についても調査したところ、“今後身につけたいスキル”は「英語」(48.2%)、「リーダーシップ・コーチング」(45.0%)、「プロジェクト・マネジメント」(42.7%)等が上位となりました[複数回答]【表4】

また、社会人大学への就学状況や関心についても聞いてみると、回答者のうち8.1%が「国内または海外の大学・大学院に入学したことがある」ほか、53.6%が「入学したことはないが興味がある」と回答し、半数以上が大学・大学院に関心を持っていることがわかります[単数回答]【図2】。また、“自己のスキルアップのための活動に個人として支出可能な金額”について聞くと、加重平均で年間20.4万円でした[単数回答]【図3】

以上のことから、企業に属するITエンジニアはテクニカル分野以外のスキルやその獲得機会についても関心が高いことがわかります。当社では「社会全体においてITの重要度が増すにつれ、ITエンジニアに求められるスキルがより広範かつ高度になっている。その結果、ITエンジニアへの負荷が増していると考えられる。スキル向上への取り組みは、ITエンジニア個人が主体性に行うべきなのか。それとも企業が戦略的にサポートするべきなのか。優秀なITエンジニアの育成施策について、企業は重要な決断を迫られているのではないだろうか」(「@IT自分戦略研究所」発行人:小林教至)と分析しています。

アイティメディアは、本調査の結果や回答者の意見をもとに、今後もITエキスパートの成長を支援していきます。

なお、本調査は当社が運営するITエキスパートのための成長支援メディア「@IT自分戦略研究所」が、同サイトの読者等を対象に、2001年から毎年実施しているものです。調査結果の詳細は、同サイトの記事「ITエンジニアが欲しいビジネス・ヒューマンスキル」に掲載しています。



主な調査結果

 

調査概要
調査名 「@IT自分戦略研究所/JOB@IT 読者調査 2008年後期版」
調査期間 2008年10月21日(火)~10月31日(金)
調査方法 Webページ上での自己回答式
調査対象 当社の運営する「@IT自分戦略研究所」の読者および「JOB@IT」の利用者
回答者数 913名
テクニカル・スキル保有状況

Q以下の技術スキル分野について、あなたが現在までに身につけているものがあれば、それぞれいくつでもお選びください。

【表1】保有しているスキル分野 上位 [複数回答]

順位 スキル名称 回答数(人)
1位 Windowsシステム管理 445 48.7
2位 データベース構築/管理 361 39.5
3位 クライアント/サーバ系開発 349 38.2
4位 Visual Basic 338 37.0
5位 Web系開発 335 36.7

 

【表2】今後身につけたいスキル分野 上位 [複数回答]

順位 スキル名称 回答数(人)
1位 セキュリティ設計/実装/運用 413 45.2
2位 ネットワーク構築/管理 365 40.0
3位 データベース構築/管理 348 38.1
4位 Linuxシステム管理 338 37.0
5位 Ajax 324 35.5

 

【図1】“現在保有するスキル”と“今後身につけたいスキル”のプロット図

 

回答者の職務内容

Q次の職務内容について、現在主に担当しているものおよび次に担当したいものを、それぞれひとつ選んでください。(n=899。有職者のみ)

【表3】現在担当している職務と次に担当したい職務 [単数回答]

順位 現在担当している職務 回答数(人) 次に担当したい職務 回答数(人)
1位 システム分析・設計/SE 194 21.6 プロジェクト・マネージャ/リーダー 129 14.3
2位 プロジェクト・マネージャ/リーダー 128 14.2 ITアーキテクト 116 12.9
3位 プログラミング/テスト 113 12.6 ITコンサルタント/アナリスト 111 12.3
4位 システム保守・運用・管理 106 11.8 システム分析・設計/SE 97 10.8
5位 社内情報システムエンジニア 79 8.8 経営/経営企画 57 6.3

 

ビジネス・ヒューマンスキルへの関心

Q以下のビジネス・ヒューマンスキル分野について、今後身につけたいものがあればお選びください。

【表4】今後身につけたいビジネス・ヒューマンスキル[複数回答]

順位 スキル名称 回答数(人)
1位 英語 440 48.2
2位 リーダーシップ・コーチング 411 45.0
3位 プロジェクト・マネジメント 390 42.7
4位 プレゼンテーション 388 42.5
5位 経営 374 41.0
6位 アイデア・発想法 345 37.8
7位 ロジカルシンキング・問題解決 335 36.7
8位 企画・構想 333 36.5
9位 会計・財務・経理 328 35.9
10位 監査・内部統制 270 29.6

 

社会人大学への関心

Q社会人になってから、国内外の大学・大学院に入学したことがありますか?

【図2】国内および海外の社会人大学・大学院への就学状況

 

スキルアップ活動のための資金:個人として最大で年間20.4万円までの支出が可能

Qスキルアップのために個人として年間最大でどのくらいまで使うことができますか?

【図3】スキルアップ活動のために個人として支出可能な金額(年間)[単数回答]

 

本調査について

回答者プロフィール
  • 回答者全体の平均年齢は36.1歳。最頻値は30歳~34歳で、30代がボリュームゾーンです。
  • 職種(現職)は、「システム分析・設計/SE」(21.6%)を筆頭に、回答者の86.8%がIT関連やその他のエンジニアです【図4】。

【図4】回答者の職種分布[単数回答](n=899)

 

調査結果の引用について

本調査結果を転載または引用する場合は、「@IT自分戦略研究所/JOB@IT 読者調査 2008年後期版」と出典を明記してください。また、転載・引用の旨を当社までご一報ください。

以上

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