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2009年08月04日
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アイティメディア株式会社

アイティメディア株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大槻利樹)は、2009年6月2日から6月15日までの期間、不況下におけるITエンジニアのスキルアップ意識について調査しました。

本調査は、当社の運営するWebサイト「@IT自分戦略研究所( http://jibun.atmarkit.co.jp/ )」や「JOB@IT( http://www.atmarkit.co.jp/job/ )」の読者等に向けたインターネット調査で、2001年より年2回実施しています。今回の調査では、回答したITエンジニアの9割弱が将来に不安を抱いているものの、多少の費用がかかっても総合的なスキルアップで不景気を乗り切ろうとするエンジニア像が浮き彫りになりました(有効回答数:1031)。調査結果は次の通りです。

「出費抑制」より「勉強でスキルアップ」

まず職場環境については、2008年10月(約半年前)と比べて「コスト削減が厳しくなった」(54.7%)、「業績が悪化した」(49.4%)が上位2位を占め、前回の調査より各々約20ポイントも上昇しています。次いで「プロジェクトが減った、規模が小さくなった」(44.6%)、「残業や休日出勤が減った」(38.9%)と続き、ITエンジニアを取り巻く職場環境がより厳しくなっていることがうかがえます〔複数回答〕【図1】

また、ITエンジニアを続けていく上での将来的な不安/危機感を尋ねたところ、「ときどき不安/危機感を感じる」(50.2%)が最多で過半数を超え、以下「日常的に不安/危機感を感じる」(35.1%)、「あまり不安/危機感を感じない」(11.7%)、「まったく不安/危機感はない」(2.4%)と続きました。合計で9割弱(85.3%)ものITエンジニアが、不安を抱きながら働いていることが分かります〔単数回答〕【図2】

このような厳しい経済状況に対し、ITエンジニア自身が検討/実施している対応については、1位から順に「新しいテクニカルスキルを身に付けるための勉強」(58.4%)、「資格取得またはそのための勉強」(43.7%)、「マネジメントスキルの勉強」(41.4%)と続くほか、「ビジネス/コミュニケーションスキルの勉強」(32.3%)、「語学(英語など)の勉強」(26.3%)等、“勉強”を挙げる回答が集中しました。その一方で、「生活費の抑制」(37.1%)や「娯楽費・交際費の抑制」(36.0%)等、“出費抑制”に関する回答はいずれも4位以下です。多少の出費は伴っても、勉強によりスキルアップをはかり、自分の市場価値を高めたいと考えるITエンジニア像が明らかになりました〔複数回答〕【図3】

「今すぐ」より「成長のため」「将来のため」

スキルアップについてさらに見ていくと、スキルアップを目指す理由は「ビジネスパーソンとして総合的にスキルを高めたいから」(41.5%)が最多でした。「現業には直接関係ないが将来のために必要だから」(24.9%)と合わせれば7割近く(66.4%)におよびます。この数値は、「今の業務で必要だから」(26.4%)のような一時的な理由の約2.5倍です。ITエンジニアにとって、スキルアップは将来を見据えた根源的な課題であるといえます〔単数回答〕【図4】

なお、スキルアップを目指す分野は、「テクニカルスキル」(63.6%)等のIT関連から「ヒアリング/交渉術」(40.3%)等の一般ビジネス関連まで多岐にわたっています。取得を目指す資格・認定は、上位から「情報処理技術者試験」(48.7%)、「ベンダー・非ベンダー資格」(34.1%)、「TOEIC(600点以上)」(18.4%)となりました〔ともに複数回答〕【表1】【表2】

また、スキルアップの方法は、「書籍やテキスト教材」(73.1%)を中心に、「eラーニング」(11.1%)や「社内の研修制度」(5.4%)等で、自主的な勉強会へは、「社外での勉強会に出席している」(33.6%)、「職場での自主的な勉強会に出席している」(26.6%)等、参加の割合が過半数(*1)を占めることも判明しています〔単数回答〕【図5】、〔複数回答〕【図6】

 

 

本調査を実施した「@IT自分戦略研究所」と「JOB@IT」はそれぞれ、ITエンジニアの成長支援のための情報、求人情報等ITエンジニアのキャリアアップに関する情報を提供する専門メディアです。アイティメディアは、今後も読者の声に耳を傾け、これらWebサイトを通じて、さらなる高みを目指すITエンジニアを支援しつづけます。

※本調査結果の詳細は、「@IT自分戦略研究所」内の記事「危機感抱え、スキルアップに余念がないエンジニア」に掲載しています。



主な調査結果

 

調査概要
調査名 「@IT自分戦略研究所/JOB@IT 読者調査 2009年前期版」
調査期間 2009年6月2日(火)~6月15日(月)
調査方法 Webページ上での自己回答式
調査対象 当社の運営する「@IT自分戦略研究所」の読者および「JOB@IT」の利用者
回答者数 1031名
ITエンジニアの危機意識とその対応

Qお仕事の状況について半年前と現在とを比べて、下記からあてはまると思う項目をすべてお選びください。

【図1】半年前に比べて実感している職場の現状〔複数回答〕

 

Qあなたはエンジニアという仕事を続けていく上で、将来的な不安/危機感を感じることはありますか?

【図2】将来的な不安/危機感〔単数回答〕

 

Q現在の経済状況に対し、あなたは個人としてどのような対応を検討/実行していますか?

【図3】現在の経済状況への対応 上位〔複数回答〕

 

個人としてのスキルアップ

Qスキルアップをしたい分野を選択する理由はなんですか?

【図4】スキルアップしたい理由〔複数回答〕

 

Qあなたはどのような分野のスキルアップをしたいと思いますか?

【表1】スキルアップしたい分野 上位〔複数回答〕

順位 項目 回答数(人)
1位 テクニカルスキル 656 63.6
2位 プロマネスキル(*2 488 47.3
3位 論理的思考法 437 42.4
4位 コンサルティングスキル 423 41.0
5位 ヒアリング/交渉術 415 40.3

 

Qこの1年で具体的に取得を目指している資格・認定はありますか?

【表2】取得を目指す資格・認定 上位〔複数回答〕

順位 項目 回答数(人)
1位 IT系:情報処理技術者試験 502 48.7
2位 IT系:ベンダー/非ベンダー 352 34.1
3位 TOEIC(600点以上) 190 18.4
4位 簿記検定(2級以上) 92 8.9
5位 中小企業診断士 82 8.0

 

Qスキルアップのために、どのような方法を用いたいと思いますか?

【図5】スキルアップする方法〔単数回答〕

 

Qあなたは職場での自主的な勉強会や、社外での勉強会に参加していますか?

【図6】勉強会の参加・開催〔複数回答〕

 

本調査について

回答者プロフィール
  • 回答者全体の平均年齢は37.2歳。最頻値は30歳~34歳で、30代がボリュームゾーンです。
  • 職種(現職)は、「システム開発(オープン/Web系)」(24.6%)を筆頭に、回答者の86.8%がIT関連やその他のエンジニアです【図7】

【図7】回答者の職種分布〔単数回答〕

 

調査結果の引用について

本調査結果を転載または引用する場合は、「@IT自分戦略研究所/JOB@IT 読者調査 2009年前期版」と出典を明記してください。また、転載・引用の旨を当社までご一報ください。

*1 【図6】内の回答、「上記のどれでもない」の44.1%を除いた55.9%がなんらかの勉強会に参加しているため過半数となる

*2 プロマネスキル
プロマネとはプロジェクトマネジメントまたはプロジェクトマネジャーを指す。ゆえにプロマネスキルは、プロジェクトマネジメントスキルまたはプロジェクトマネジャースキルのこと

以上

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