アイティメディアのChatGPT活用と記事掲載の状況
~ITmedia NEWS、ねとらぼを中心に実験~
アイティメディア株式会社
アイティメディア株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大槻利樹)は、昨今注目の高まるChatGPTなど生成系AI(人工知能)について、メディア上での関連する記事の掲載状況と、自らの活用に向けた取り組みを発表します。
■背景
2045年前後にはAIが人類の知能を超える人類最大のパラダイムシフトとされるシンギュラリティ(技術的特異点)が予測されるなど、AIによる社会の変革は早くから予想されていました。現在、ChatGPTをはじめとした生成系AIがその精度を上げ、爆発的な普及を見せていることで、AIの実用化が加速しています。ビジネスの面でも、各産業で大きな影響が予想されているものの、現時点では明確な方向性は固まっておらず、各企業は生き残りのためにさまざまな試行錯誤を続けるものと思われます。
一方、技術先行で進む急速な変革に対し、国家、企業、教育機関、個人など、さまざまな視点で問題が提起され、一部では開発の中止や規制に向けた動きも活発化してきました。今後社会においては、有効な活用方法の探索競争と弊害への対処が並行していくものと思われます。
アイティメディアにおいても、多くのステークホルダーからその活用や情報発信の状況についてお問い合わせをいただいており、この度、取り組み状況を発表することといたしました。
■アイティメディアの取り組み:ChatGPT等生成系AI関連の記事の掲載本数
アイティメディアは、テクノロジー領域を専門としたインターネット専業のメディア企業です。多くの先端テクノロジー情報の発信を行っていますが、ChatGPTをはじめとした生成系AIについては、過去半年で一挙に掲載記事を増加させています。
生成系AI関連記事の月間新規掲載本数(単位:本)
[アイティメディアの代表的なAI関連コンテンツ例]
・AI+(エーアイプラス) by ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/subtop/aiplus/
・@IT eBook:ChatGPT入門 概要から利用方法、プログラム開発まで
https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/2304/21/news019.html
AIの実用化が加速したことで周辺の産業にも波及が生まれています。アイティメディアが運営する半導体・エレクトロニクス専門情報サイトにおいても情報ニーズの拡大が見られます。
・世界のエレクトロニクス技術の最新動向がわかる – EE Times Japan
https://eetimes.itmedia.co.jp/
・電子設計の基本と応用がわかる – EDN Japan
https://edn.itmedia.co.jp/
■アイティメディアのChatGPT活用に向けた取り組み
インターネットメディア業界においてもAIの影響は大きく、コンテンツの編集・制作プロセスやUI・UXの革新に留まらず、インターネットメディアの在り方自体が変化していくものと予想されています。現時点でもメディア制作の現場においては、情報収集、取材、文章化・コピーライティング、校正、要約、翻訳など、さまざまな業務において、AIの効用が現実的なレベルに達しつつあります。
当社では、テクノロジー専門のメディア企業としてAIの動向を発信することでその普及と活用を促すと共に、弊害に対しても正しい把握と対策が行われる、よりよい社会の実現に貢献します。
また、自らもAI技術の活用に挑戦することで、読者・顧客に対する価値提供を拡大すると共に、その取り組みの一部を公開することで、メディア業界の発展に貢献することを目指します。
コンテンツ制作においては、AIの利用に関わらず、当社編集部がその文責を担いますが、下記のような記載を行うなどAIを利用したコンテンツであることを読者に明示しています。
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。 |
■ITmedia NEWSのAI活用の取り組み・実験例(2023年7月現在)
ITmedia NEWSでは、AI専門のチャンネル「AI+(エーアイプラス) by ITmedia NEWS」(URL:http://www.itmedia.co.jp/news/subtop/aiplus/ )を展開するなど、以前よりAI関連の情報を数多く発信してきました。編集長の井上輝一を中心に、記事執筆・編集フローにChatGPTに代表されるAI技術の導入を図ると共に、読者に対する責任など運用に当たっての方針を整理し、公開しています。
目下の狙いとして、AIによる直接的な記事生成ではなく、編集における各プロセスの効率化を志向し、日々の編集・執筆効率を上げることで独自取材のリソースを強化していきます。
【ITmedia NEWS AI活用における基本方針(2023年7月) 概要】
ITmedia NEWSでは、AIを優秀な業務アシスタントと位置付け、その活用により日々の編集・執筆効率を上げることで、コア業務である独自取材のリソースを強化していきます。
ITmedia NEWSでは、あくまで編集者が主体的な記事制作を行い、記事として仕上げ、文責を担います。AIの役割は、編集者が行う取材・執筆・編集といった業務のアシストであり、手間の短縮です。取材の記録、文字起こし、要約、編集部が収集した情報の加工・抽出などの業務について、AIならではの特性を生かし、効率化を図ります。 一方、社会におけるAI活用に対する懸念を常に把握し、適切な対処を図ります。執筆部分にまで深くAIを活用した記事については、読者に対してその旨を明示します。AIツールの中には、入力した内容が学習に使用される恐れがあるものもあります。編集者はこの点を十分に理解し、非公開情報などセンシティブな情報の入力は行いません。 ITmedia NEWSは、ChatGPTなど特定の技術に限らず、読者の皆様への発信に有用であれば、これからもさまざまなテクノロジーを取り入れていきます。 |
詳細は、ITmedia NEWS編集長 井上輝一による下記の記事をご覧ください。
・ITmedia NEWSは記事執筆フローにChatGPTなどAIを導入します
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2307/05/news145.html
(参考)
・GPT-4は記者の仕事を奪うのか? ITmedia NEWSの記事を自動生成してみた
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2303/22/news178.html
■ねとらぼのAI活用の取り組み・実験例(2023年7月現在)
ねとらぼ第二編集部 編集長の西尾泰三は、エンジニアリングへの造詣が深く、以前より「編集のリエンジニアリング」をミッションに掲げ、編集業務をITで変革する試みを進めてきました。ねとらぼにおいては、既に下記のような取り組みが具体化しています。
[実験段階]
・プレスリリースを元にした記事の増産 (2023年6月から本格化。月100本目標)
・OpenAIの音声認識モデル「Whisper」の活用
・校正プロセスの改善(文章チェックツールTextlintを活用。ChatGPTと連携させルールを生成)
[研究段階]
・EmbeddingやFunction callingを用い最新の話題や弊社の高い日本語表現の知見を反映
・異なる学習を行ったAIの合議制による精度向上
既に6月よりAIを活用した記事制作を本格化させており、下記のような記事をご覧いただけます。
[AI活用記事例]
・YOASOBIの「アイドル」、米ビルボード「Global Excl. U.S.」で首位獲得 日本語楽曲では史上初
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2306/06/news168.html
当社は、「メディアの革新を通じて情報革命を実現し、社会に貢献する」という企業理念に基づき、情報発信により社会の発展に貢献すること、自らも活用を図ることでメディアの革新を図ることを旨としています。
今後もアイティメディアは、本件から得られるノウハウを蓄積・共有し、運営するメディア全体の効率化を図り、読者の皆様への情報発信を強化してまいります。
以上
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<本リリースに関するお問い合わせ>
アイティメディア株式会社 広報担当
https://corp.itmedia.co.jp/pr/inquiry/
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