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トップメッセージ

当社は、1999年の創業以来、「メディアの革新を通じて情報革命を実現し、社会に貢献する」という経営理念を掲げ、インターネット専業で事業を展開してまいりました。
テクノロジーの革命の歴史を振り返ると、1940年代に米国で人類最大の発明の一つとされるコンピューターが発明され、その後インターネットが誕生し、1990年代には日本でも本格的な普及を始めます。当時ソフトバンクで出版事業を担っていた私は、大きなパラダイムシフトを目の当たりにし、インターネットに対応した新しいメディアビジネスを生み出すことを志して、アイティメディアを立ち上げました。現在では、国内最大級のオンラインメディア企業として、テクノロジー領域に特化した数多くの専門メディアを運営しています。

インターネットは誕生以降も進化を続け、スマートフォンやソーシャルメディアの爆発的普及など社会のデジタルシフトをもたらし、大きな潮流として人類社会を豊かにしてきました。これに対して、当社はインターネットに特化したメディアという事業基盤を活かしたビジネスモデルの開発への挑戦を続けています。デジタルコンテンツによってテクノロジーの売り手と買い手をエンゲージするリードジェンに始まり、デジタルイベントの開発に成功、スマートフォンやソーシャルメディアの爆発的な普及に対しては、新しいメディア「ねとらぼ」を開発し、新たな収益源として確立することができました。子会社の発注ナビ株式会社では、システム開発会社と発注者のマッチングビジネスも広げています。

創業当初は広告モデルが収益の過半を占めていましたが、現在はリードジェンを中心とした顧客獲得型のモデルが過半を占めており、こうしたデジタルならではの多様な収益モデルこそが当社の大きな強みと言えます。

今日では、AIやクラウド、SaaSなどのIT専門情報から、製造業やエレクトロニクスなどの産業系テクノロジーまで、幅広い領域のメディアを有しています。今後においても、社会のデジタルシフトという不可逆的な流れの中で、当社の提供価値は益々高まっていくものと確信しております。

近年では、DXの進展により企業活動から人々の生活様式に至るまでデジタルが浸透し、テクノロジーのすそ野がますます拡大しています。日本企業においてもデジタル化への需要は活発であり、目下の生成AIの活用に関しては、産業の垣根を越えて非常に高い関心が寄せられています。この変化に対して、当社はAI関連情報のNo.1メディアとなるべく、総力を挙げてコンテンツの強化を図っています。さらには、当社自身も生成AIを活用してコンテンツの制作や業務プロセスの効率化を進めております。今後も、生成AI関連市場の盛り上がりに対して、メディアの革新による社会への貢献を実現してまいります。

2023年度の連結売上収益は減収減益となりましたが、デジタルイベント収益や運用型広告収益は増収に転じつつあります。2029年度に営業利益40億円を目指す中期目標の達成に向けて、AIを含むデジタル化の進む産業領域におけるメディアの拡大、データ基盤の整備によるサービスの革新と自社でのAI活用という3つの成長戦略に注力してまいります。
株主還元においては、中長期的な成長と株主還元の両立を目指しており、現在の中期目標に沿った配当方針として、大幅な増配を決定しました。当期の配当性向は100%を超える予定ですが、以降においても配当性向70%以上の高水準を継続してまいります。

当社は、事業を通じて株主や投資家の皆様のご期待に応えながら、テクノロジーとメディアの正しく豊かな発展を通じて、社会に貢献してまいります。引き続きご注目、ご支援を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

2024年12月

アイティメディア株式会社

代表取締役社長 兼 CEO