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育児しながら追求する「一生の仕事」 女性編集記者インタビュー

 アイティメディアでは、多様な背景の社員を支援する制度を運用しています。支援のひとつとして挙げられるのが、ビジネスにおいて「最大の少数派(マイノリティ)」といわれている女性社員の活躍推進です。女性が活躍できる環境を整えることは、アイティメディアにとってとても重要です。なぜなら、アイティメディアはWebメディアの記事や企画、マーケティング施策の提供といった、「人」が生み出す価値で社会貢献する企業だからです。

 今回は、アイティメディアで活躍中の女性社員の姿をお届けするべく、BtoCメディア事業本部 ねとらぼ局 事業統括部 リサーチ編集部 第2リサーチチーム長の緒方摩耶にインタビューしました。緒方は、2021年に中途入社後、「ねとらぼ調査隊」の記事制作を行い、編集記者をまとめるチーム長としても活躍しています。また2児の母として、キャリアと育児を両立中の社員のひとりでもあります。聞き手は、人事統括部 HRリクルート&サポート部の堀です。

マネジメントもできる編集記者へ

――まずは、緒方さんの現在の業務内容を教えてください!

緒方: 私は、「ねとらぼ調査隊」の記事制作や、ご協力いただく会社の新規開拓などをしています。それとあわせて、7名のチームメンバーのマネジメントもしています。業務の割合としては、記事制作と新規開拓その他で5割、マネジメントが5割で、だいたい半々ぐらいでしょうか。

 記事制作は、自分で執筆することもあれば、外部ライターが作成した原稿を、ねとらぼの記事の形式に整えて公開することもあります。新規開拓は、調査隊でまだ取り上げていない企業にコンタクトして、取引の関係性を作っていきます。たとえば、公開されていないランキングデータをお借りしてランキング記事を制作したり、レビューする記事のために、話題になりそうな商品を編集部にご提供いただいたりといったことです。また、マネジメントは、2023年4月にチーム長になり、取り組み始めました。メンバーに記事の作成担当を割り振ったり、個人目標の進捗を一緒に確認したりと、自分の担当記事だけではなく、チーム全体を見渡す役割でもあります。

――編集記者としてのみならずマネージャーとしても、経験を積んでいるんですね! 日々お忙しいと思いますが、そんな中でもやりがいを感じるのはどのような点ですか?

緒方: まず、自分の関わった記事がたくさん読まれて、反響をもらえることがやりがいです。これは、私だけではなく、編集記者全員に共通する思いではないでしょうか。

 自分の業務ならではのやりがいは、新しい企業とコミュニケーションを通して関係性を作り、深めていくことですね。仕事の成功には運の要素も大きいですが、運がいいときにそれを活かせるかどうかは自分次第だとも思うんです。だから、ちょっとした言葉遣いやコミュニケーションのとり方にも普段から気を付けています。取引先の担当者との信頼関係ができて、そこから協力の糸口が生まれる時は、これまでの経験を活かして成果を出せた実感があってうれしいですね。

 また、現在はチームメンバーの成長もやりがいの一つです。できなかったことができるようになったり、スピードがすごく早くなったり、最初は少し頼りなかったメンバーが頼もしい存在になったりもします。自分の経験やスキルはどんどん伝えたいですし、少しでも役に立てていたらいいなと思います。

遠回りして見つけた編集者のキャリア

――緒方さんはこれまで、どのようなキャリアを積んでこられたのでしょうか?

緒方: アイティメディア入社までに、3社経験しました。改めて振り返ってみると、遠回りもあったのですが、現在では「これしかない」と自分で思える、編集記者という仕事を見つけられたように思います。

 新卒での就職先は、映像制作の会社です。私は大学時代、美学美術史学を専攻したのですが、なかなか学んだことを活かせるような就職先がなくて……。当時は自分の強みがあまり分かっていなかったこともあり、就職活動には身が入りませんでした。それで結局、仕事が決まらないまま、卒業と同時に上京してしまったんです(笑)。上京後に成り行きで入社したのが、1社目でした。

 その会社ではウェブサイト制作部門に所属していたのですが、小さな会社だったこともあり、営業や企画から、映像のエキストラまで、なんでもやりました。非常に大変でしたが、その後辛いことがあっても、「あのときよりはマシ」と思えます。ある意味で鍛えられたというか、1人でなんでもできるようになったのはこのときの経験があってこそなので、今では感謝しています。

 2社目は出版社です。声優の雑誌や、写真集などを制作し、大変ながらも充実した日々でした。あとでお話ししますが、私は家族が地方新聞社を経営していたこともあり、出版や書くことに対する憧れが漠然とありました。ここで、なんとなく憧れていた出版業界の仕事に就けたんです。でも、子供を2人産んだ後は、休日や夜間の取材と育児の両立という答えのない課題に悩まされる日々でした。また、新聞社の後継ぎとして、いずれ地元に帰らなければならないというプレッシャーも、ずっと感じていました。こうした悩みを解決するために、いっそのことUターンしたほうがいいと考え、出版社を退職しました。

 その後、拠点を地元に移す準備期間を経て、3社目の地方新聞社に入社しました。祖父が立ち上げ、現在は叔母と母が経営している会社です。入社してみて初めて、業務環境が東京と地方ではまったく違うということが分かりました。Wi-Fi環境が整っていなかったり、個人用のメールアドレスがなく、メールの確認が順番待ちだったり……そうした環境を刷新したかったのですが、経営層との距離の近さがよくない方向に働いて衝突してしまい、うまくいきませんでした。また、地方のほうが子育て環境も良いのではと思ってUターンしたところもあったのですが、病院が少なかったり、自治体の子育て支援制度が整っていなかったり、理想とのギャップを感じることが多く……。ずっとここで生活をしていくのは、難しいかもしれないと感じました。

 改めて今後について考えたとき、やはり編集者を一生の仕事にしたいという思いに気づきました。そこで、母たちの反対を振り切って、東京に戻り、編集者としてやっていくことにしたんです。とはいえ、すぐに転職先が決まったわけではなく、アイティメディアの選考の前に何十社も受けました。選考の初期の段階では、好意的な会社もあったのですが、2人の子供を育てながらの勤務だと分かると、待遇を引き下げられたり、手のひらを返すように話がなくなってしまったりしました。

 アイティメディアを受けたのは、転職サイトの登録情報を見て、今の上長が声をかけてくれたからです。ねとらぼのことは知っていましたが、運営しているアイティメディアという会社のこと、また他のメディアのことは、それまで知らなかったですね。アイティメディアは、子供がいるなどの背景を気にせず、純粋にこれまでのキャリアや能力、やる気を評価してくれたので、うれしかったです。未だに、上長とは「お互いの需要が一致した奇跡の出会いだったね」と話しています。

会社の制度を活用して我が子に寄り添う

――キャリアを積む中で、お子さんがいらっしゃることでのご苦労もあったんですね……。ちなみにアイティメディアで働いている今は、仕事と育児の両立はできていますか?

緒方: 正直なところ、未だに試行錯誤は続いています。以前、仕事と育児の両立に悩んでキャリアを中断したことがあるだけに、在宅勤務も可能なスマートワーク制度やフレックスタイム制といったアイティメディアの制度には助けられています。とはいえ、子供の体調不良などは予想できないため、急な予定変更もあれば、他のメンバーに助けられることもあります。

 たとえば、最近下の子のかんしゃくがひどくなって、スクールカウンセラーから、朝学校に送っていく、夕食を一緒に摂るなど、子供につきっきりになる時間を増やすようアドバイスを受けたんです。そのことを話すと、チームメンバーは「絶対に仕事を抜けてあげてください」と、快く協力してくれました。おかげで、子供もだいぶ落ち着いてきましたね。母親が在宅勤務で家にいるとはいえ、自分に関心を向けている時間は少ないことがさみしかったようです。子供には辛い思いをさせてしまいましたが、子供は親が思っている以上にいろいろな要素を敏感に察知しているんだな、という学びを得たできごとでもありました。また、制度面で助けられているのはもちろん、編集部のメンバーや上長がみんな理解があり、優しく、面白い人ばかりだからこそ、ここで働けているんだなと痛感する日々です。

 私の場合は、仕事と育児、両方やっているから心のバランスが取れている部分があるかもしれません。仕事ばかりしていると、仕事で挑戦する面白さや、成長する機会のありがたみが薄れてしまうことがあります。そんなとき、育児の時間が入ってくることで、仕事を新鮮な気持ちで見直せたりします。反対に、仕事に集中する時間があるから、子供を思い切りかわいがってやりたい、一緒に過ごしたいという気持ちも出てきたりするんですよね。子供には、「お母さんが働いていて、さみしい思いをするかもしれないけど、働くことはあなた達が学校に行ったり、欲しいものを買ったりするためにも必要なんだよ」と話すこともあります。

――仕事と育児を両立することで、どちらにもいい影響があるんですね! ただ、そういった心境までたどり着くには、ご苦労もあったのではないかと思うのですが……。

緒方: そうですね、いろいろありました……。大きなできごととしては、第1子の妊娠中に切迫早産になったことです。医師には、出産まで安静にしていなければいけないと言われました。まだ状況が飲み込めていなくて、「引き継ぎのために、明日だけでも出社していいですか?」と医師に質問したところ、「お母さん、赤ちゃんは今産まれたら死んでしまうかもしれないんだよ。赤ちゃんの命がどうなってもいいなら、行けば?」と厳しく返されてしまって……。自分が主導して進めていた企画などもあったのですが、結局電話でのやり取りで仕事を全て代わってもらい、休みに入りました。その時、仕事は最悪の場合自分がいなくてもなんとかなること、一方で子供や自分の命は自分で守るしかないことを痛感したんです。吹っ切れて、自分の中で優先順位が定まったのはこの時でした。

 無事に出産後、出版社で働いている間は、誰よりも早く出社して早く退勤する、異色の編集者でした。出版社では、昼頃に出社して、終電まで会社にいるとか、忙しいときは徹夜するような働き方の社員も多かったんですが、私は保育園の送り迎えという時間の制約があったので、他の社員と同じような時間の使い方はできなくなりました。それでも、妊娠前に仕事に真剣に向き合って、キャリアや関係性を築けていたことで、社会に復帰して続きを積み上げていくことはできていたと考えています。もちろん復帰後の苦労はありましたが、私の場合「出産したから、社会と切り離された」という感覚を持つことはあまりありませんでした。

自分のため、将来の女性社員のために

――出産後も仕事を続けていけるという、キャリアの先輩の言葉、勇気づけられます! 緒方さんは、今後どのようなキャリアを積みたいと考えておられるのでしょうか?

緒方: 今後も、プレイングマネージャーでありたいです。マネジメントスキルを身に付けつつ、現場で編集や執筆も続けたいですね。私自身のキャリアとして、編集以外は考えられないと思っています。

 職種とは別に、社会人としてのあり方としては、かつての自分のような若手女性社員のロールモデルになれたらと思っています。ちょうど、チームメンバーに産休に入る女性社員がいるのですが、まさにそういった社員が「こんな仕事と育児の両立の方法があるんだ」と参考にできるような先輩でありたいです。今の部署では子供がいる女性社員はまだ少ないので、パイオニアとして育児と並行した働き方が特別ではない普通のことだという雰囲気を作れたらと考えて、日々仕事をしています。

――緒方さんのような先輩社員がいて、現在の若手社員、そしてこれから入社する方たちも、とても頼もしいと思います。ありがとうございました!

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